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1973年の大豆ショック

1973年6月27日、米国のニクソン大統領が大豆輸出禁止措置を実施。
同年9月7日に解除されているとはいえ、大豆の国内価格は上昇を続け、
豆腐、納豆、味噌などの大豆製品にも多大な影響を及ぼしましたが、
同年10月には第1次オイル・ショックも起き、狂乱物価に巻き込まれています。
ところで、大豆ショックの方は、旧ソ連の米国からの大豆の大量買い付けが
原因だったと記憶していたのですが、地球自然という大きなサイクルの中で、
アンチョビ”も絡んでいたのですね。冷静に考えれば、腑に落ちますけれど。
       ☆
 小松さんも『日本沈没』を書きはじめるころから、日本を沈没させるほどの地殻変動が起こったら世界規模の気候変動が生じるだろうと、気象のことを勉強していたらしい。ところが七三年前半、日本で豆腐の値段が突然高騰した背景に、前年の七二年のエルニーニョ現象によってペルー沖のアンチョビが不漁だったことがあることを知る。七三年暮れの石油ショックによるトイレットペーパー買い占め騒動では、多くの日本人が地球規模で生活が影響されることを実感しただろう。東京の異常乾燥とオーストラリアの大洪水は無関係ではないのだ。
(乙部順子『小松左京さんと日本沈没 秘書物語』)
       ☆
豆腐とアンチョビ(カタクチイワシ)……まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」の間を
ごっそり抜かれてしまったような説明で、引用の個所だけだと、非常にもやもや。
簡潔に言いますと、1972年は世界全体で、不作・不漁の年だったようです。
旧ソ連のヒマワリ、インドの落花生、中国の大豆、そしてペルー沖のアンチョビも。
大豆で食用されるのはごく一部。搾油され、残りの「大豆かす」がたんぱく源として
畜産飼料の原料に回されます。アンチョビも食用は限られ、魚粉は飼料の原料と
されるので、当時のペルー沖の海流の異変でアンチョビが不漁であったことから、
畜産飼料の製造原料として、大豆かすへの依存が急速に高まっていた訳ですね。

参考文献:乙部順子『小松左京さんと日本沈没 秘書物語』(産経新聞出版)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 大豆豆腐納豆

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たまに「考える人」、歴史探偵。
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