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西本願寺伝道院

2019_05_10_本願寺伝道院_1 「龍谷ミュージアム」にはJR京都駅から歩いて、何の
 苦も無く、辿り着けるはず。国道1号(堀川通)を挟んで
 「西本願寺」の真向かい、東側に位置しています。
 その龍谷ミュージアムのさらに1ブロック東に、“東洋
 +西洋”の造形感覚が炸裂した「西本願寺伝道院」が
 建っているのです。設計は伊東忠太(1867~1954)、
 施工は竹中組(現・竹中工務店)。明治時代最後となる
 明治45年(1912)の建築で、旧「真宗信徒生命保険
 株式会社
」本館。現在は浄土真宗本願寺派僧侶の
 布教・研修の道場として利用されているそうで、平素は
 内部非公開。何かのイベント時にかこつけて、館内に
 入らせてもらうしかないですかねえ。しかし、失礼かも
しれませんが、字面が大分異なるとはいえ、保険の営業と僧侶の布教……やっている
ことは同じじゃないか、という気もします。当初は本館
以外にも、付属屋、倉庫2棟、物置、人力車置場、便所、2019_05_10_本願寺伝道院_2
“屋根付伝ひ廊下”も在ったそうですが、現存しません。
石や鉄といった構造材を使用しながらも依存はせず、
単なる欧化主義や和洋折衷を峻拒して、日本古来の
木造建築も進化させるべきだ――とする忠太の「建築
進化論
」を体現化する物件です。赤煉瓦が印象的な
外観は古典様式ですが、窓や通風口などの開口部周り、
ドーム型や六角形の塔は一体、サラセン様式なのか、
何なのか? 破風懸魚らしき意匠に目を留めると
“和”のイメージですし。建物を取り囲み、警護するように
配置された小石柱の頭には、忠太らしい各種“妖怪
像が設(しつら)えてあって、本当に愉しい近代建築です。
望むらくは、(周囲の仏壇・仏具店などはともかく)
電線だけでも地中化できないものかしら。
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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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