道明寺の国宝

「道明寺」(藤井寺市道明寺1丁目14)の話
になりますが、お寺を訪れたことだけは覚えて
いたのに、境内に迷い込んだだけで、本尊を
拝観していなかったように、記憶が改竄されて
いましたよ。どうして、そんなふうになって
しまったのか、フロイト先生に訊いてみたい。
今回は藤井寺から近鉄・南大阪線で2駅移動。
道明寺天神通りを上り、「道明寺天満宮」を
スルーして、所期の目的地である道明寺を目指します。元は土師(はじ)氏の氏寺。
土師氏の後裔に、菅原道真がおり、“道明”は道真の号らしいです。太宰府へ
左遷される折、叔母の覚寿尼を同寺に訪ねたとか。
「啼けばこそ別れもうけれ 鶏の音の鳴からむ里も

暁もかな」と一首残しています。本尊が菅原道真自ら
刻んだと伝えられる「十一面観音菩薩立像」でして、
榧(かや)を用いた檀像様の一木造り。像高98cm。
本当に整った美仏ですが、「野中寺」の弥勒菩薩
半跏像に胸をわしづかみにされた後でもあったから、
余計に、ぴんと来なかった模様。弥勒菩薩半跏像と
違って、写真映りは良いのだがなあ、とポスト・カード
(=右画像)を眺めて嘆息。菅原道真自刻というギミック
あってこその国宝扱いではないか? 不遜な疑いを
抱きつつ、道明寺餅を無性に食べたくなってきたぞ。
近場のスーパーで尋ねてみたところで、やはり
季に外れ、怪訝な顔をされるばかりなのでした。
十一面観音像は毎月18、25日に公開されています。
参考記事:暮らし歳時記 ― 桜餅
スポンサーサイト