血肉映画
もしかすると、「読んでみた」と同じように、
例えば、「観てみた」のようなカテゴリーを設けて、
鑑賞した映画タイトルを羅列した方がよいのかな……そう
感じるくらいに、B級映画、カルト映画、ホラー映画の類は
年に何十本と観ていますねえ。あまりにくだらなくて、
触れたくもない愚作が多過ぎたりするのですが、そもそも、
現在公開中の映画ですら、わざわざ映画館まで足を運んで
観たくなる作品が、数か月に1本でもあれば、ましな方でしょ。
つい最近、ぼんやりと眺め終えたDVDで、後から再鑑賞した
3作品を紹介してみましょう。観直さなくてもよかったか
という作品も含まれますが、ぼくの血肉にはなっただろう、と。
『ロマン・ポランスキーの吸血鬼』(1967)は、誰が何と言おうと、名作です。
原題は“Dance of the Vampires”となり、吸血鬼映画のパロディとして
秀逸なだけでなく、コメディとしても抱腹絶倒。アブロンシウス教授を演じる
Jack McGowran が生身で見せるコミカルで、トリッキーな動きに、
川島雄三・監督『幕末太陽傳』(1957)でのフランキー堺、あるいは古城で魅せる
アクション場面に、宮崎駿・監督『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)を想起。
監督のRoman Polanski は教授の助手のアルフレッド役。ヒロインに扮する
Sharon Tate がまた非常に悩ましいのですが、数年後、チャールズ・マンソンの
無差別殺人に巻き込まれたことが脳裏をかすめ、歪んだ感動に打ちのめされそう。
Sebastian Gutierrez 監督 『ブラッド』(2006)の原題は“RISE”。
どちらにしても、ありがちで埋もれてしまいそうなタイトル。
内容も……なぁ。Lucy Liu がヴァンパイア・ハンターに!という
設定だけで、もう、げんなりと食傷してしまいますが、2回観た後でも、
もやもや感は晴れず、新発見も皆無。この手の趣向で来られる以上、
ウェズリー・スナイプス主演『BLADE』(1998)を超えられる訳もなく、
つらいところです。関係ないけど、Marilyn Manson がちょい出演。
どうも、邦題の拙い映画が多いなあ……と嘆じつつ、
Julia Ducournau 監督『RAW 少女のめざめ』(2017)はフランス映画にして、
原題が“Grave”か。“少女のめざめ”だけで十分な気もしますけどね。
こちらは吸血鬼映画でなく、まさかの***映画だったのが新鮮。素晴らしい。
先頃、Kimberly Peirce 監督のリメイク版 『CARRIE』(2013)を観て、
決して悪くはないにせよ、何もかもが想定内に収まったのに、がっかり
させられていただけに、やはり、思春期の少女を描くには、それなりの覚悟
と決意が必要でしょ、と考えるのでした。衝撃的な展開に目を奪われがちですが、
丹精込めて作られた、清々しい青春映画の佳作と言えます。あちこちのサイトを
覗いてみると、きちんと評価している人はしているようで、少し安堵しました。
良作が埋もれてしまうのは哀しいですから……古いゾンビ映画を例に挙げれば、
David Acomba 監督の青春ファンタスティック・ホラー『NIGHT LIFE』(1989)。
例えば、「観てみた」のようなカテゴリーを設けて、
鑑賞した映画タイトルを羅列した方がよいのかな……そう
感じるくらいに、B級映画、カルト映画、ホラー映画の類は
年に何十本と観ていますねえ。あまりにくだらなくて、
触れたくもない愚作が多過ぎたりするのですが、そもそも、
現在公開中の映画ですら、わざわざ映画館まで足を運んで
観たくなる作品が、数か月に1本でもあれば、ましな方でしょ。
つい最近、ぼんやりと眺め終えたDVDで、後から再鑑賞した
3作品を紹介してみましょう。観直さなくてもよかったか
という作品も含まれますが、ぼくの血肉にはなっただろう、と。
『ロマン・ポランスキーの吸血鬼』(1967)は、誰が何と言おうと、名作です。
原題は“Dance of the Vampires”となり、吸血鬼映画のパロディとして
秀逸なだけでなく、コメディとしても抱腹絶倒。アブロンシウス教授を演じる
Jack McGowran が生身で見せるコミカルで、トリッキーな動きに、
川島雄三・監督『幕末太陽傳』(1957)でのフランキー堺、あるいは古城で魅せる
アクション場面に、宮崎駿・監督『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)を想起。
監督のRoman Polanski は教授の助手のアルフレッド役。ヒロインに扮する
Sharon Tate がまた非常に悩ましいのですが、数年後、チャールズ・マンソンの
無差別殺人に巻き込まれたことが脳裏をかすめ、歪んだ感動に打ちのめされそう。
Sebastian Gutierrez 監督 『ブラッド』(2006)の原題は“RISE”。
どちらにしても、ありがちで埋もれてしまいそうなタイトル。
内容も……なぁ。Lucy Liu がヴァンパイア・ハンターに!という
設定だけで、もう、げんなりと食傷してしまいますが、2回観た後でも、
もやもや感は晴れず、新発見も皆無。この手の趣向で来られる以上、
ウェズリー・スナイプス主演『BLADE』(1998)を超えられる訳もなく、
つらいところです。関係ないけど、Marilyn Manson がちょい出演。
どうも、邦題の拙い映画が多いなあ……と嘆じつつ、
Julia Ducournau 監督『RAW 少女のめざめ』(2017)はフランス映画にして、
原題が“Grave”か。“少女のめざめ”だけで十分な気もしますけどね。
こちらは吸血鬼映画でなく、まさかの***映画だったのが新鮮。素晴らしい。
先頃、Kimberly Peirce 監督のリメイク版 『CARRIE』(2013)を観て、
決して悪くはないにせよ、何もかもが想定内に収まったのに、がっかり
させられていただけに、やはり、思春期の少女を描くには、それなりの覚悟
と決意が必要でしょ、と考えるのでした。衝撃的な展開に目を奪われがちですが、
丹精込めて作られた、清々しい青春映画の佳作と言えます。あちこちのサイトを
覗いてみると、きちんと評価している人はしているようで、少し安堵しました。
良作が埋もれてしまうのは哀しいですから……古いゾンビ映画を例に挙げれば、
David Acomba 監督の青春ファンタスティック・ホラー『NIGHT LIFE』(1989)。
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