文楽素浄瑠璃の会
文楽(=人形浄瑠璃)について、もの凄く、基本的なところを確認。
太夫・三味線・人形遣いの“三業”から成るとは、よくいわれることですが、
人形遣いの地位が近代まで随分と低かったことも、よく聞くところです。
ニーチェを援用すると、人形は極めてアポロ的な芸術形態であり、
ディオニュソス的な音楽芸術の原理を体現する太夫こそが、やはり、
文楽の本義なのでしょう。ギリシャ悲劇で最重要な構成要素であった
コロス(合唱隊)が、元は説明的な補助手段に過ぎなかった俳優に
取って代わられていった系譜を思い浮かべていただければ結構です。
とあれば、人形を伴わない素浄瑠璃こそ、文楽の純粋形態ではないか!
と、半可通は考え、8月17日(土)13時開演の第22回「文楽素浄瑠璃の会」
(第41回邦楽公演)を聴きに、いそいそと「国立文楽劇場」へ向かうのでした。
☆
今回は文楽のネタの宝庫、軍記物『平家物語』(源平盛衰記)、『義経記』を
扱った3演目で、いずれも名作揃い。「一谷嫩(ふたば)軍記」熊谷陣屋の段、
「義経千本桜」河連法眼館の段、「ひらかな盛衰記」神崎揚屋の段――
通常公演ならばあり得ないラインアップですが、素浄瑠璃ならば可能です。
「一谷嫩軍記」は豊竹呂太夫に三味線・鶴澤清介、「義経千本桜」は
豊竹咲太夫に、三味線・鶴澤燕三、ツレ・鶴澤燕二郎。咲太夫は近頃、
人間国宝に認定されています。「ひらかな盛衰記」は竹本千歳太夫、三味線・
豊澤富助、ツレ・野澤勝平。「一谷嫩軍記」の熊谷直実については、昨年の
「公開講座フェスタ」で少々かじっていたので、史実と虚構の間に思いを
馳せながら愉しめました。三段目の切場が熊谷陣屋の段で、並木宗輔の
絶筆だそうです。「義経千本桜」の四段目が河連法眼館の段。筋書きは
知っていたので、観た気になっていましたが、実は初めて聴きました。
「ひらかな盛衰記」神崎揚屋の段も四段目でして、こちらは数年前の
「公演記録鑑賞会」で目にしていましたね。弥陀六(栗饅頭)や白太夫
(白あん)を摘まみ食いしながら、一つひとつが勉強なのだなあ、と慨嘆。
太夫・三味線・人形遣いの“三業”から成るとは、よくいわれることですが、
人形遣いの地位が近代まで随分と低かったことも、よく聞くところです。
ニーチェを援用すると、人形は極めてアポロ的な芸術形態であり、
ディオニュソス的な音楽芸術の原理を体現する太夫こそが、やはり、
文楽の本義なのでしょう。ギリシャ悲劇で最重要な構成要素であった
コロス(合唱隊)が、元は説明的な補助手段に過ぎなかった俳優に
取って代わられていった系譜を思い浮かべていただければ結構です。
とあれば、人形を伴わない素浄瑠璃こそ、文楽の純粋形態ではないか!
と、半可通は考え、8月17日(土)13時開演の第22回「文楽素浄瑠璃の会」
(第41回邦楽公演)を聴きに、いそいそと「国立文楽劇場」へ向かうのでした。
☆
今回は文楽のネタの宝庫、軍記物『平家物語』(源平盛衰記)、『義経記』を
扱った3演目で、いずれも名作揃い。「一谷嫩(ふたば)軍記」熊谷陣屋の段、
「義経千本桜」河連法眼館の段、「ひらかな盛衰記」神崎揚屋の段――
通常公演ならばあり得ないラインアップですが、素浄瑠璃ならば可能です。
「一谷嫩軍記」は豊竹呂太夫に三味線・鶴澤清介、「義経千本桜」は
豊竹咲太夫に、三味線・鶴澤燕三、ツレ・鶴澤燕二郎。咲太夫は近頃、
人間国宝に認定されています。「ひらかな盛衰記」は竹本千歳太夫、三味線・
豊澤富助、ツレ・野澤勝平。「一谷嫩軍記」の熊谷直実については、昨年の
「公開講座フェスタ」で少々かじっていたので、史実と虚構の間に思いを
馳せながら愉しめました。三段目の切場が熊谷陣屋の段で、並木宗輔の
絶筆だそうです。「義経千本桜」の四段目が河連法眼館の段。筋書きは
知っていたので、観た気になっていましたが、実は初めて聴きました。
「ひらかな盛衰記」神崎揚屋の段も四段目でして、こちらは数年前の
「公演記録鑑賞会」で目にしていましたね。弥陀六(栗饅頭)や白太夫
(白あん)を摘まみ食いしながら、一つひとつが勉強なのだなあ、と慨嘆。
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