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Gustave Moreau

2019_08_30_ギュスターヴ・モロー展 8月30日(金)、大阪市阿倍野区の「あべの
 ハルカス美術館
」に、「ギュスターヴ・モロー
 展
」を観に出掛けました。副題は「サロメと
 宿命の女たち
」と題され、主軸に「出現」を
 据え、“ファム・ファタル”というテーマを補強
 するために、「エウロペの誘拐」や「一角獣
 といった大判の作品が、要所を締めています。
 Gustave Moreau (1826~1898)の母、
 ポーリーヌ・モローや妹カミーユ、パートナーを
務めたアレクサンドリーヌ・デュルーの存在にも触れられていましたが、モローを世に
知らしめたのはユイスマンスだろうにと、索然たる思いが……展覧会場は、パリの
ギュスターヴ・モロー美術館」の内装を模して、緞帳やら、ソファやら、設えてあり
ましたけれど。学生時代、モローの画集に耽溺した過去もどこへやら、モローの絵を
直接目にしているのに、何かが違う。ぼくが贅沢になってしまったのでしょうか? 
たぶん、モローの象徴主義たる所以は、(乱暴な言い方をさせてもらいますと)絵画
そのものを超えて、絵画が指し示そうとしていた“何か”のせいだったのでしょう。
アカデミックな教育を受けているとはいえ、その筋からは一段落ちていたとみられ、
極端に言えば、“ヘタウマ”的な魅力が潜んでいるのではないか?とも疑うのです。
美しいものをそのまま再現・定着させるのではなく、この世には無い美しいものを
絶望とわななきの中に表現して見せる試み。それが試みであったからこそ、有効で
あった次第で、現代におけるギュスターヴ・モローは、もはや、既成の“美”の範疇に
安穏と収まってしまった(ように見える)以上、逆説的に、魅惑も色褪せたのかしら?
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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