★ 2019年10月に読んだ本 ★
千足伸行『もっと知りたい世紀末ウィーンの美術』(東京美術)
……副題に「クリムト、シーレらが活躍した黄金と退廃の帝都」。
「ウィーン・モダン」展で、ぴんと来なかった内容理解の切っ掛けになりました。
編者=生きた建築ミュージアム大阪実行委員会
『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2019 公式ガイドブック』
(生きた建築ミュージアム大阪実行委員会)
木丸みさき『わたしの舞台は舞台裏~大衆演劇裏方日記』(KADOKAWA)
山川静夫『山川静夫の文楽思い出ばなし』(岩波書店)
戸田学『随筆 上方落語四天王の継承者たち』(岩波書店)
……桂吉朝に丸々費やされた一節は、コピーを取っていますよ。
三宅正弘『神戸とお好み焼き』(神戸新聞総合出版センター)……にくてん!
田辺青蛙『魂追い』(角川ホラー文庫)
田辺青蛙『皐月鬼』(角川ホラー文庫)
黒川博行『燻り』(角川文庫)
『映画秘宝 11月号』(洋泉社)……保存版20ページ「歴代ジョーカー
完全クロニクル!!」を見て買いました。映画も素晴らしかったですし。
高階秀爾『世紀末芸術』(ちくま学芸文庫)……世紀末芸術は当然ながら、
ラファエル前派、はたまた、ニーチェの理解まで深まってしまいました。
ラフカディオ・ハーン『心』(岩波文庫)……11月の「二人の読書会」テクスト。
高橋正鶴『大阪ブタ箱物語』(彩図社)
太田雄三『ラフカディオ・ハーン』(岩波新書)……或る意味、反面教師。
ハーバート・スペンサーに心酔しての、我田引水的な傾倒ぶりが頂けない。
木村一八『父・横山やすし伝説』(宝島社)
ポー『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集Ⅰ ゴシック編―』(新潮文庫)
……10月の「二人の読書会」テクスト。また、全編読み直したくなりました。
ローランス・デ・カール『ラファエル前派』(青土社)……監修は高階秀爾。
……副題に「クリムト、シーレらが活躍した黄金と退廃の帝都」。
「ウィーン・モダン」展で、ぴんと来なかった内容理解の切っ掛けになりました。
編者=生きた建築ミュージアム大阪実行委員会
『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2019 公式ガイドブック』
(生きた建築ミュージアム大阪実行委員会)
木丸みさき『わたしの舞台は舞台裏~大衆演劇裏方日記』(KADOKAWA)
山川静夫『山川静夫の文楽思い出ばなし』(岩波書店)
戸田学『随筆 上方落語四天王の継承者たち』(岩波書店)
……桂吉朝に丸々費やされた一節は、コピーを取っていますよ。
三宅正弘『神戸とお好み焼き』(神戸新聞総合出版センター)……にくてん!
田辺青蛙『魂追い』(角川ホラー文庫)
田辺青蛙『皐月鬼』(角川ホラー文庫)
黒川博行『燻り』(角川文庫)
『映画秘宝 11月号』(洋泉社)……保存版20ページ「歴代ジョーカー
完全クロニクル!!」を見て買いました。映画も素晴らしかったですし。
高階秀爾『世紀末芸術』(ちくま学芸文庫)……世紀末芸術は当然ながら、
ラファエル前派、はたまた、ニーチェの理解まで深まってしまいました。
ラフカディオ・ハーン『心』(岩波文庫)……11月の「二人の読書会」テクスト。
高橋正鶴『大阪ブタ箱物語』(彩図社)
太田雄三『ラフカディオ・ハーン』(岩波新書)……或る意味、反面教師。
ハーバート・スペンサーに心酔しての、我田引水的な傾倒ぶりが頂けない。
木村一八『父・横山やすし伝説』(宝島社)
ポー『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集Ⅰ ゴシック編―』(新潮文庫)
……10月の「二人の読書会」テクスト。また、全編読み直したくなりました。
ローランス・デ・カール『ラファエル前派』(青土社)……監修は高階秀爾。
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OMM屋上スカイガーデン

フェスティバル大阪」=通称「イケ
フェス大阪」、英語名称「OPEN
HOUSE OSAKA 2019」は、10月
26~27日の開催期間でして、叶う
ものならば、両日とも、魅惑的な
建築物件を観て回りたかったところ、
落語会やプロレス観戦の予定が
詰まっていて、無理なスケジュール。
文化の秋ですねえ。それでも、悪足掻きをして、10月26日(土)は「島之内寄席」の
後、大阪市・上本町「ハイハイタウン」1Fの「串まつ屋」で、ホルモンの串焼きを
アテに軽く呑むと、大阪メトロ・谷町線で、谷町九丁目から天満橋に移動しました。
「OMM」の屋上スカイガーデン西側が17~20時の間、特別公開(通常は東側のみ)
されていたのです。天満橋は本来、京阪電車の始発駅。昭和38年(1963)4月、
京阪電車が淀屋橋へ乗り入れるに伴い、天満橋駅は地下に移転。出現した広大な
スペースに、「大阪マーチャンダイズ・マート」ビルが建設されることになりました。
竹中工務店により、1969年竣工ですから、今年で開館50周年。当時は、OMMが
西日本で最も高いビル(78m)だったそうです。22階が回転展望レストラン「ジャンボ」
でしたが、現在は日本料理「樂待庵」……回転しません。21階の西スカイガーデン
からの眺めが、上の画像。ガラスに映り込んだ照明灯が邪魔ではあるけれど、大川に
架かるライト・アップされた「天神橋」が綺麗です。また、ビルの隙間に、観覧車らしき
物体がぼんやりと浮かび、「天保山大観覧車」なのか、方角的に合っているのか、
確信は持てないながらも、どきどきさせられました。いつか、確かめに行くぞ~!
大星由良助を語る

上方文化講座「大星由良助を語る」を聴いて
きました。今年、3回に分けて上演されている
「仮名手本忠臣蔵」全段の残り八~十一段目が
11月2日から始まる「11月文楽公演」にて完結
するので、その前哨戦(?)という意味合いかな。
ゲストに、4月・11月公演の大星由良助を遣う
吉田玉男(二代目)と、早稲田大学の児玉竜一
教授。過去の名演をDVDで観つつ、人形遣いの
視点から、由良助の気持ち良さや難しさ、また、
11月公演の見所も語っていただきました。児玉
教授の進行ぶりが際立っていて、人形を持って
いないと落ち着かない玉男師匠を巧くリードして
くれたように感じます。本来一日公演であるべき
通し公演ですが、3回に分けたことで、時間的に
余裕が出来て、十段目は従来のような省略をしない等、メリットもあるそうです。
最後に、大星由良助の人形を手にした途端、それまでシャイな風情だった玉男
師匠が、急に生き生きと喋り出す様がキュート。本公演への期待が高まります。
☆
ところで、「上方ビル」(大阪市中央区千日前1丁目7−11)の4Fに入っている
「トリイホール」、来年3月に閉館するそうです。昔、小演劇を観にきたことも
ありましたが、30年近い歴史を持っていた模様。元々が千日山「弘昌寺」の
物件であり、来春からホールは同寺の本堂として生まれ変わるようで……
お寺さんならば、また、足を運び入れる機会があるかなぁ、と考えたりもして。
ポー=建築文学
屋外へ出てみると、路面こそ濡れていましたが、雨は
やんでいました。大阪市・中津まで歩くと、「カンテ・
グランデ」中津本店へ入り、遅い昼食を取りました。
10月からメニューが変わってしまい、お気に入りだった
チャパティ・ピザやチャイ・パフェが無くなっていて残念。
10月の「二人の読書会」のテクストは、ぼくにとっても
古典中の古典、小学生の頃から何度も繰り返し、読み
耽ってきたエドガー・アラン・ポーの短編です。
なるべく新味を、と新訳を選び、新潮文庫の巽孝之・訳。
ゴシック編/ミステリ編/SF&ファンタジー編の計3冊
が出ていまして、今回はゴシック編。青木淳の説く
“建築文学”観に洗脳されたつもりもないけれど、
10月のテクストに収録された6編が全て建築文学で
あったことに驚愕! 「黒猫」における地下室の漆喰壁
~煉瓦とモルタル、「赤き死の仮面」の舞踏会場となる
7つの部屋、「ライジーア」における英国の荒地の僧院
~改築された屋敷の花嫁の部屋、「落とし穴と振り子」の
変形する地下牢、「ウィリアム・ウィルソン」における
エリザベス朝風の屋敷、そして、屋敷その物が主人公
としか言いようのない「アッシャー家の崩壊」ですから。
年老いて、建築に惹かれ出したのではなく、幼年期から
ぼくの建築趣味の萌芽が用意されていたように思えます。
参考文献:ポー『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―』(新潮文庫)

やんでいました。大阪市・中津まで歩くと、「カンテ・
グランデ」中津本店へ入り、遅い昼食を取りました。
10月からメニューが変わってしまい、お気に入りだった
チャパティ・ピザやチャイ・パフェが無くなっていて残念。
10月の「二人の読書会」のテクストは、ぼくにとっても
古典中の古典、小学生の頃から何度も繰り返し、読み
耽ってきたエドガー・アラン・ポーの短編です。
なるべく新味を、と新訳を選び、新潮文庫の巽孝之・訳。
ゴシック編/ミステリ編/SF&ファンタジー編の計3冊
が出ていまして、今回はゴシック編。青木淳の説く
“建築文学”観に洗脳されたつもりもないけれど、
10月のテクストに収録された6編が全て建築文学で
あったことに驚愕! 「黒猫」における地下室の漆喰壁
~煉瓦とモルタル、「赤き死の仮面」の舞踏会場となる
7つの部屋、「ライジーア」における英国の荒地の僧院
~改築された屋敷の花嫁の部屋、「落とし穴と振り子」の
変形する地下牢、「ウィリアム・ウィルソン」における
エリザベス朝風の屋敷、そして、屋敷その物が主人公
としか言いようのない「アッシャー家の崩壊」ですから。
年老いて、建築に惹かれ出したのではなく、幼年期から
ぼくの建築趣味の萌芽が用意されていたように思えます。
参考文献:ポー『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―』(新潮文庫)
なにわ八百八橋物語
10月25日は、夕刻から落語会(天神寄席)を予定していたのですが、
日中から忙しかったのです。10時から、大阪駅前第2ビル5階の
「総合生涯学習センター」第1研修室で、講座「なにわ八百八橋物語」を
聴きました。副題に「橋に見る大阪の再発見」。本当は毎年でも参加
したいところですが、なかなか抽選に当たらなくてねえ。前回、当選したのが
2014年11月12日(水)だったので、5年ぶり。以前は、OCATビル4階の
「難波市民学習センター」講堂でしたけれど、梅田なので便は良いです。
大阪市建設局道路部橋梁課の方(おそらく、寺田昌弘氏)から聴講します。
職掌柄、技術的なことは詳しいようですが、歴史的なことは共に学びつつある
途上でしょうか。大阪の橋の特徴は、幕府直轄の公儀橋が12橋にとどまり、
町衆が自発的に架けた町橋の数が大半であったこと。なお、「808」は誇張
表現で、実際の橋の数は200前後といわれています。2017年4月時点で、
大阪市管理の認定橋が762、国管理やその他の管理する橋を含めて、
大阪市内には881橋が架かっているそうです。橋の基本的な種類、
形式・各部名称など、良い復習になります。たまたま、ぼくの座席の隣に、
「千歳橋」、(神戸市ですが)「神戸大橋」、「ポートピア大橋」の模型を
削り出した檜材で制作した吉川重光氏が座っておられて、恐縮しました。
講座は正午まで。間を空けて、14時から中之島周辺の橋の現地見学です。
空模様が非常に気に懸かります。大阪市役所南玄関前を出発し、
「淀屋橋」、「大江橋」、「水晶橋」、「船入橋」、「鉾流橋」、「栴檀木橋」、
「難波橋」、「ばらぞの橋」、「葭屋橋」、「天満橋」、「新天満橋」を見学予定。
(改めて、観察し直した上記の橋々については、後日、折に触れ、紹介しますね)
日中から忙しかったのです。10時から、大阪駅前第2ビル5階の
「総合生涯学習センター」第1研修室で、講座「なにわ八百八橋物語」を
聴きました。副題に「橋に見る大阪の再発見」。本当は毎年でも参加
したいところですが、なかなか抽選に当たらなくてねえ。前回、当選したのが
2014年11月12日(水)だったので、5年ぶり。以前は、OCATビル4階の
「難波市民学習センター」講堂でしたけれど、梅田なので便は良いです。
大阪市建設局道路部橋梁課の方(おそらく、寺田昌弘氏)から聴講します。
職掌柄、技術的なことは詳しいようですが、歴史的なことは共に学びつつある
途上でしょうか。大阪の橋の特徴は、幕府直轄の公儀橋が12橋にとどまり、
町衆が自発的に架けた町橋の数が大半であったこと。なお、「808」は誇張
表現で、実際の橋の数は200前後といわれています。2017年4月時点で、
大阪市管理の認定橋が762、国管理やその他の管理する橋を含めて、
大阪市内には881橋が架かっているそうです。橋の基本的な種類、
形式・各部名称など、良い復習になります。たまたま、ぼくの座席の隣に、
「千歳橋」、(神戸市ですが)「神戸大橋」、「ポートピア大橋」の模型を
削り出した檜材で制作した吉川重光氏が座っておられて、恐縮しました。
講座は正午まで。間を空けて、14時から中之島周辺の橋の現地見学です。
空模様が非常に気に懸かります。大阪市役所南玄関前を出発し、
「淀屋橋」、「大江橋」、「水晶橋」、「船入橋」、「鉾流橋」、「栴檀木橋」、
「難波橋」、「ばらぞの橋」、「葭屋橋」、「天満橋」、「新天満橋」を見学予定。
(改めて、観察し直した上記の橋々については、後日、折に触れ、紹介しますね)
BLOODY HALLOWEEN

プロレスリング「FREEDOMS」の
大阪・平野区民ホール大会となる
「BLOODY HALLOWEEN 2019」
を観戦してきました。葛西純の
プロデュース興行。いまだに「大日本
プロレス」時代の若手のイメージが
抜けていなかったりするのですけど、
団体の長(?)を務めるほどになり、
時代は移り変わっていきます……インディペント団体は嫌いでないし、特に目当ての
選手がいなくとも、雰囲気を楽しめれば、と考えていました。最大の眼目は、地方の
区民ホールのような会場で、ハードコアなデス・マッチは可能なのか?という興味
本位でして、結論から先に言えば、見事にやってのけてくれました(次はどうなるか、
わかりませんけど)。ぼくの記憶している選手(つまり、ベテラン)は、ドレイク森松、
吹本賢児、HUB、マンモス佐々木といったところだったでしょうか。金属バットや
ラダー、パイプ椅子、有刺鉄線ボードが、リング内外を飛び交い、蛍光灯が派手に
ぱんぱん、弾けていました。女子の山下りな選手も(あ、ドレイクも女子です!)、
健気に流血試合をこなしていましたが、あれはやられる山下より、手を下す葛西=
クレイジー・モンキーの方が勇気あるなぁ……と肝を冷やしつつ。凄惨極まりない
試合ばかりという訳でもなく、前半のタッグ・マッチでは笑いも取り、バランス良く。
☆
(試合結果は、公式発表を待ちます)
tag : プロレス
島之内寄席
前夜のトリは、笑福亭福笑でしたけれども、この日のトリも福笑。
10月26日(土)13時半、「銭屋ホール」で開催された「島之内寄席」
10月席のお話です。まず、会場名に馴染みがなくて、最寄りの駅は
大阪メトロ・谷町九丁目か、近鉄・上本町駅なので、大体、わかりそう
とはいえ……「新歌舞伎座」(昔の「近鉄劇場」跡地)の南側の通りを
東進したところに在る「銭屋本舗」(大阪市天王寺区石ヶ辻町14-2)
南館の6Fでした。到着時は、入り口前からの行列が角を曲がっている
状態で、向かいの「木村屋」で購入した総菜パンをかじりながら、
エレベーターへの誘導を待っていました。「島之内寄席」という落語会は、
昭和47年(1972)から続く上方落語の会となり、会場を替えながらも、
計1200公演を突破しようという歴史を誇ります。今回、足を運んだ動機は
10月席のテーマが、「上方落語台本島之内選」だったから。
「上方落語台本大賞」の過去応募作品から演者が選んだ作品を
舞台にかけるという趣向です。のっけから全員参加のトーク
「噺家のやりたくなる台本とは!?」で、緊張感。月亭天使が予想外に
理論家で、ちょっと、興味を引かれました。桂三風が紹介したエピソードで、
新作落語をやるにしても古典が大事、と戒めたという福笑師匠は流石。
仲入りまでの3人はネタおろしとなりましたが、笑福亭智丸は変に初々しく、
天使の台本と同様、福笑が新作落語に対して注意を要すると指摘していた
“落語”と非落語の差異のニュアンスについて、考えさせられました。
同じ話芸でも、落語と漫才・コントとの違いは、どこに表れるのか? と。
元の台本(擬古典)の差か、芸歴の違いか、桂枝女太は純然たる落語。
そうそう。小堀裕之は、2丁拳銃の向かって左側の人です。
当日のプログラムは以下のとおり。
☆
トーク「噺家のやりたくなる台本とは!?」
笑福亭智丸「ボクの小学校(横井正幸・作)」
月亭天使「喫茶『こそあ堂』(井口守・作)」
桂枝女太「百一文(広島哲也・作)」
仲入り
桂三風「ハンカチ(小堀裕之・作)」
笑福亭福笑「蓮の池クリニック(新澤公康・作)」
10月26日(土)13時半、「銭屋ホール」で開催された「島之内寄席」
10月席のお話です。まず、会場名に馴染みがなくて、最寄りの駅は
大阪メトロ・谷町九丁目か、近鉄・上本町駅なので、大体、わかりそう
とはいえ……「新歌舞伎座」(昔の「近鉄劇場」跡地)の南側の通りを
東進したところに在る「銭屋本舗」(大阪市天王寺区石ヶ辻町14-2)
南館の6Fでした。到着時は、入り口前からの行列が角を曲がっている
状態で、向かいの「木村屋」で購入した総菜パンをかじりながら、
エレベーターへの誘導を待っていました。「島之内寄席」という落語会は、
昭和47年(1972)から続く上方落語の会となり、会場を替えながらも、
計1200公演を突破しようという歴史を誇ります。今回、足を運んだ動機は
10月席のテーマが、「上方落語台本島之内選」だったから。
「上方落語台本大賞」の過去応募作品から演者が選んだ作品を
舞台にかけるという趣向です。のっけから全員参加のトーク
「噺家のやりたくなる台本とは!?」で、緊張感。月亭天使が予想外に
理論家で、ちょっと、興味を引かれました。桂三風が紹介したエピソードで、
新作落語をやるにしても古典が大事、と戒めたという福笑師匠は流石。
仲入りまでの3人はネタおろしとなりましたが、笑福亭智丸は変に初々しく、
天使の台本と同様、福笑が新作落語に対して注意を要すると指摘していた
“落語”と非落語の差異のニュアンスについて、考えさせられました。
同じ話芸でも、落語と漫才・コントとの違いは、どこに表れるのか? と。
元の台本(擬古典)の差か、芸歴の違いか、桂枝女太は純然たる落語。
そうそう。小堀裕之は、2丁拳銃の向かって左側の人です。
当日のプログラムは以下のとおり。
☆
トーク「噺家のやりたくなる台本とは!?」
笑福亭智丸「ボクの小学校(横井正幸・作)」
月亭天使「喫茶『こそあ堂』(井口守・作)」
桂枝女太「百一文(広島哲也・作)」
仲入り
桂三風「ハンカチ(小堀裕之・作)」
笑福亭福笑「蓮の池クリニック(新澤公康・作)」
tag : 落語
けったいな親子

大阪天満宮の境内の地を借りている
「天満天神繁昌亭」では、同宮に
謝意を込め、“天神寄席”と銘打った
テーマ落語会を開催しています。11月
25日(金)のテーマは「けったいな
親子」。ゲストに、『老父よ、帰れ』を
上梓した作家の久坂部羊を迎えて、
18時半からの開演となっていました。
☆
午前中から、別件の講座や現地見学で奔走していたのですが、頃合いを見計らって、
大阪天満宮へ向かいました。昼過ぎまで、降雨に見舞われた境内には、馬の蹄の
跡が残されていましたねえ。同日、流鏑馬神事が行われていたようです。
「餃々」の餃子を摘まんで軽く呑み、「中村屋」のコロッケを頬張りながら、繁昌亭へ。
落語会を仕切っているのは、上方落語協会番組編成委員長の桂春若でなく、実質、
大阪大学招聘教授の高島幸次先生です。ぼけ役も上手く、安心させられます。
或る意味、ノルマとして課せられた観も無きにしもあらずの、テーマ落語会に対して、
独り、笑福亭たまが気を吐いていた印象。妙にぎらぎらとした迫力を感じましたよ。
☆
月亭遊真「親子酒」
笑福亭たま「近日息子」
笑福亭伯枝「佐々木裁き」
桂米二「親子茶屋」
中入り
鼎談「親ほど厄介なモノはない」=桂春若/久坂部羊/高島幸次
笑福亭福笑「桃太郎」
堂島ビルヂング
大阪市・中之島に架かる「大江橋」
北詰近くに建っている、見た目は現代
建築の「堂島ビルヂング」――ですが、
実は100周年も間近の近代建築物件
と、『島民』 秋号 Vol.131(2019 9/1)
で知りました……あれ? “月刊”の
文字が無くなっているなぁ。ともあれ、
同ビルは大正12年(1923)の竣工。
大正8年公布の市街地建築物法による
“百尺規制”ぎりぎりの高さで建てられた
大阪で初めてのビルだったそうです。
堂ビルを設立したのは、橋本喜造(1872~1947)。
当時は「東の丸ビル、西の堂ビル」と称されたほどであり、
小出楢重らの絵画のモチーフともされました。
鉄骨ではなく、鉄筋コンクリート造り。昭和35年(1960)と
平成11年(1999)の2度の大改修の結果、ネオ・ルネサンス様式から
モダニズム建築への過渡期を思わせる外貌は消え失せていますが、
面白いのは御堂筋に面していない側ですね。矩形とはならず、敷地は
カーブを描いています。そもそもは「堂島」も中之島同様に“島”であり、
堂島川と蜆川に挟まれた堂島の東端に、堂ビルの土地が在った次第。
ガラス幕壁に覆われたファサードより、裏道を通る方が、ぼくの気分かも。
☆
「島民」の発行元、140B も現在は堂ビルに入居していますか。
その昔、バックナンバーを貰いに行った時は、「ダイビル」に編集部があった
と記憶しますけれど……「中之島ダイビル」、それとも、「ダイビル本館」?
時期的にも、旧「ダイビル」(2009年取り壊し)のはずが、1階の印象が薄くて。

北詰近くに建っている、見た目は現代
建築の「堂島ビルヂング」――ですが、
実は100周年も間近の近代建築物件
と、『島民』 秋号 Vol.131(2019 9/1)
で知りました……あれ? “月刊”の
文字が無くなっているなぁ。ともあれ、
同ビルは大正12年(1923)の竣工。
大正8年公布の市街地建築物法による
“百尺規制”ぎりぎりの高さで建てられた
大阪で初めてのビルだったそうです。
堂ビルを設立したのは、橋本喜造(1872~1947)。
当時は「東の丸ビル、西の堂ビル」と称されたほどであり、
小出楢重らの絵画のモチーフともされました。
鉄骨ではなく、鉄筋コンクリート造り。昭和35年(1960)と
平成11年(1999)の2度の大改修の結果、ネオ・ルネサンス様式から
モダニズム建築への過渡期を思わせる外貌は消え失せていますが、
面白いのは御堂筋に面していない側ですね。矩形とはならず、敷地は
カーブを描いています。そもそもは「堂島」も中之島同様に“島”であり、
堂島川と蜆川に挟まれた堂島の東端に、堂ビルの土地が在った次第。
ガラス幕壁に覆われたファサードより、裏道を通る方が、ぼくの気分かも。
☆
「島民」の発行元、140B も現在は堂ビルに入居していますか。
その昔、バックナンバーを貰いに行った時は、「ダイビル」に編集部があった
と記憶しますけれど……「中之島ダイビル」、それとも、「ダイビル本館」?
時期的にも、旧「ダイビル」(2009年取り壊し)のはずが、1階の印象が薄くて。
tag : 近代建築
「堂島大橋改良事業」現場見学会

「堂島大橋改良事業」現場見学会に
参加したのです。定員30名。今年は
旧・都市計画法が制定されて、また、
大阪市区改正設計(大阪の本格的な
近代都市計画)が決定された大正8年
(1919)から100周年を迎えました。
その都市計画100周年を記念して、
本年度の「生きた建築ミュージアム
フェスティバル大阪2019」(=通称「イケフェス」)に、ビルと限らず、都市インフラ
なども公開される運びとなったのです。2019年の「イケフェス」の要申込プログラムに
ついて、ぼくは3~4件に応募していたところ、抽選に当たったのは「堂島大橋改良
事業」のみ。外れた分は縁が無かったと諦め、「堂島大橋」と慣れ親しみますよ。
(週末には、別のイベントで、また中之島の橋を見学)
☆

最寄りの駅は、京阪・中之島線の終点・中之島駅。
南詰から工事中の堂島大橋の仮歩道を渡って、現場
事務所に入ると、まず座学。大阪市建設局道路部
橋梁課の寺田昌弘氏にお話しいただきました。歴史から
入ってくれるのがうれしく、旧・蜆川に架かっていたという
「堂島小橋」に夢を膨らませ、さて、昭和2年(1927)に
完成した現・堂島大橋は、イタリアン・ロマネスク様式の
ラーメン橋台を有する下路アーチ橋ですが、90年を経て
老朽化が著しく、地盤沈下の影響も加わり、桁下空間が
低くなってしまい、舟運にも差し支えるといったことから、
通行止めを行い、本格的な改良事業が決定されました。
その際、大阪市の土木分野で初の総合評価落札方式
(高度技術提案型)が採用されたとのこと。請負業者は
エム・エム ブリッジ。価格面だけでなく、技術面からも
最適案を選定したのです。歴史的・文化的な価値を継承すべく、
比較的健全だった下部工橋台と上部工アーチ部材を残しつつ、
床版(しょうばん)・床組(ゆかぐみ)を全面的に取り換えるという、
全国的にも例の無い工事……大阪市、やれば出来るやん!
かつ、歩行者や自転車、あるいは舟運航路も止めない――
橋を使う人たちのことを思い、歴史的な面影も可能な限り、
残そうとする姿勢に感激です。工事は平成29年3月7日から開始。
下流側の施工は終わり、現在は上流側の施工中。高欄の復旧等は
これからですねえ。親柱や柱飾塔がどう復元されるか?に興味は尽きず。
アーチ主構部の応力改善のためには、アーチ支承部のジャッキ・アップ、
支承ピンの取り換えを行ったそうで、画像は現在しか見ることが出来ない
支承(の一部)です。石と鉄との組み合わせ……見るほどに惚れ惚れとします。