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背徳のユニバース

読書会のテクスト関連で、黒岩重吾『背徳のメス』を2018_07_03_味園ビル
読んでいて、第44回直木賞受賞作(1960年下半期)
でしたか。良くも悪くも、“社会派推理小説”ですから、
パズラー(本格物)としては箸にも棒にもかからない
とはいえ、当時の世相風俗を味わうには興味深くて。
植は綾子を抱きかかえるようにして、堺筋を横切り、
二つ井戸現・道頓堀一丁目)の方に歩いていった

と書かれているのは、当時の“現在地”で、今の「二ツ
井戸
」は「国立文楽劇場」の前で復元した物で偲ぶしか
ないなあ、と考えたりします。キャバレー周辺の業態では
他の作品で「ミス大阪」に言及してくれていたように、
『背徳のメス』だと「ユニバース」について触れています。
(画像は2018年7月3日撮影分)
       ☆
「阿呆らし」
 と妙子は言って、バネに撥
(は)ねられたように勢いよく起き上った。妙子はファンキー調のジャズを口ずさんでいた。
 これからミナミのダンスホール・ユニバースに踊りに行く、という妙子と、植は阿倍野の交叉点で別れた。

       ☆
「そうですかい。安に力を貸してくれるとはご親切だ。おい、ぬくとう、安はユニバースだろ」
 と赫ら顔が、今まで黙っていた、色白の美貌の若者に尋ねた。
「ええ、あそこですけこましているはずです。ユニバースは、朋友
(ポンユー)のやつらがちょっとうるさくなってるから、用心しろ、と言っておいたんですが……」
 と若者は答えた。


参考文献:黒岩重吾『背徳のメス』(新潮文庫)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説史跡

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たまに「考える人」、歴史探偵。
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