Caravaggio
2月7日(金)、「あべのハルカス美術館」に赴いて、
「カラヴァッジョ展」を鑑賞しました。本当は「待ちに
待った」と形容したいところですが、素直に喜べない
諸般の事情もあって……元々、2019年度は「あべの
ハルカス美術館」で “ヨーロッパ3ヶ国めぐり”という
西洋美術3展連続開催の企画が組まれていました。
フランスの「ギュスターヴ・モロー展」、英国の
「ラファエル前派の軌跡」展、そうして、今回の
イタリアです。予め、お得な3展セット券を入手し、
待ち構えていたぼくが最も期待していたのが、17世紀
バロック絵画の創始者、Michelangelo Merisi da
Caravaggio(1571~1610)。特に、日本初公開(
しかも、大阪会場のみ)となる「ホロフェルネスの首を
斬るユディト」はポスターやチラシで散々煽られていた
だけに、展示不可と知った時のがっかり感は半端なく。
(どうやら、チケットの払い戻しすら行われていたようです)
☆
そのユディトと「瞑想するアッシジの聖
フランチェスコ」が、イタリア側の手続き
不備から展示できず、代わりにメインを
張っていたのが、「法悦のマグダラの
マリア」……悪くはないですけどねぇ。
頭の中がユディトに染まっているから、
後期のポスター等に小さく刷られた
「赦したまえ。」の文字が、ユディト
展示不可のお詫びにしか読めないし。
初公開の「リュート弾き」や「洗礼者聖ヨハネ」、「歯を抜く人」等は面白かったです。
ただし、「聖セバスティアヌス」だけは、カラヴァッジョと同時代のルイ・フィンソンの
方が断然、ぼくの好みかな。カラヴァッジョの作品数自体が限られていることも与って、
17世紀のナポリ画壇やカラヴァッジョ様式の画家を含め、計43点の出品にとどまるも、
その分、画家の人物紹介やイラスト等がかなりのスペースを占めていました。殺人まで
犯した無頼の画家を無理して聖人扱いしようとする手口には、憫笑しか湧きませんが。
天才信仰で糊塗しようとするのも無駄で、悪は悪、美は美と切り分ければよいものを。
「法悦のマグダラのマリア」が美しいのは、崇高で敬虔な宗教的な感情とは無縁で、
溺死体のように白く膨れ上がった肉塊にも、何かしらの“美”が存するという事実のみ。

「カラヴァッジョ展」を鑑賞しました。本当は「待ちに
待った」と形容したいところですが、素直に喜べない
諸般の事情もあって……元々、2019年度は「あべの
ハルカス美術館」で “ヨーロッパ3ヶ国めぐり”という
西洋美術3展連続開催の企画が組まれていました。
フランスの「ギュスターヴ・モロー展」、英国の
「ラファエル前派の軌跡」展、そうして、今回の
イタリアです。予め、お得な3展セット券を入手し、
待ち構えていたぼくが最も期待していたのが、17世紀
バロック絵画の創始者、Michelangelo Merisi da
Caravaggio(1571~1610)。特に、日本初公開(
しかも、大阪会場のみ)となる「ホロフェルネスの首を
斬るユディト」はポスターやチラシで散々煽られていた
だけに、展示不可と知った時のがっかり感は半端なく。
(どうやら、チケットの払い戻しすら行われていたようです)
☆

フランチェスコ」が、イタリア側の手続き
不備から展示できず、代わりにメインを
張っていたのが、「法悦のマグダラの
マリア」……悪くはないですけどねぇ。
頭の中がユディトに染まっているから、
後期のポスター等に小さく刷られた
「赦したまえ。」の文字が、ユディト
展示不可のお詫びにしか読めないし。
初公開の「リュート弾き」や「洗礼者聖ヨハネ」、「歯を抜く人」等は面白かったです。
ただし、「聖セバスティアヌス」だけは、カラヴァッジョと同時代のルイ・フィンソンの
方が断然、ぼくの好みかな。カラヴァッジョの作品数自体が限られていることも与って、
17世紀のナポリ画壇やカラヴァッジョ様式の画家を含め、計43点の出品にとどまるも、
その分、画家の人物紹介やイラスト等がかなりのスペースを占めていました。殺人まで
犯した無頼の画家を無理して聖人扱いしようとする手口には、憫笑しか湧きませんが。
天才信仰で糊塗しようとするのも無駄で、悪は悪、美は美と切り分ければよいものを。
「法悦のマグダラのマリア」が美しいのは、崇高で敬虔な宗教的な感情とは無縁で、
溺死体のように白く膨れ上がった肉塊にも、何かしらの“美”が存するという事実のみ。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術