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Under Pressure

2020_02_11_天満天神繁昌亭 2月11日(火)18時半から、「天満天神繁昌亭」の
 「笑福亭福笑一門会」に足を運びました。
 “たった二人の一門会”Vol.14 となります。
 前座も無しの1人2題。福笑とたまの噺をじっくりと
 味わえる濃い落語会なのですが、超満席状態で、
 今回は補助席しか取れなくて、両側の男性客から
 物理的なプレッシャーを受けながら、パイプ椅子に
 座り続けるという状況だけが残念でしたか。眼前の
 手すりに、視界を塞がれるしねえ。(そういう時は、
 コンパクトな身体が羨ましく感じられたりします)
 笑福亭たまの近況報告で、新潟県の寺社巡業時、
 全く受けない状況もあった、理由がよくわからない
 という苦心譚が身につまされ、コミュニケーションは
 難しいものです。たまの「千客万来」は師匠の創作。
 1つの噺の中に、(顔の無い不特定多数の登場人物
ではなく)どれだけの数のキャラクターを盛り込めるか、実験してみようとの福笑の
目論見が在るそうです。高座の上では、BGM によって登場人物を描き分けるなど、
演出上のフォローも加わり、誰が誰だかわからなくなるといった混乱もなく、成功
していると思います。“対話”が核に在るという構造は崩していないがために、落語
として成立しているとも言えるので、逆に言えば、そこをどう崩せるか?という点は
落語に限らず、一般的な舞台芸術、あるいは文芸作品の課題にもなり得るか、と。
一人の言葉を同時に複数の声としても機能させること。福笑の「妖怪の結婚」が
続きます……創作落語ですけれども、古典落語の「ろくろ首」等のサンプリングが
絶妙で、記憶のあちらこちらをくすぐられますよ。ぼくの心は落語を逸れて、小泉
八雲
のことなどを想起していました。妖怪は異端を引き寄せるのだな。中入りの
後、たまの「深山隠れ」。現代風にさらりと仕上げようとする試みはよいにせよ、
主人公の名前を柳生二十兵衛とするのは効果薄に感じます。駄目ではないですが、
変えるメリットも無いような。古典落語そのまま踏襲するだけでは良くない、しかし、
どこを変え、どこを残すか?は非常に難しい勘所です。落語家も両義的な存在で、
現代に通用する笑いを提供しなければならないとともに、古典芸能の真髄を伝承
するという役割があると考えているから。トリは福笑師匠「釣道入門」。代表作の
一つと言えます。渓流釣りの名人とビギナーとの関係が、途中から、マニア受け
する噺家と大衆受けするタレント落語家との関係に見えてきて、仕方なくて……
釣れた者が勝ち、集客力のある芸人が勝者と言い切れないところがほろ苦し。
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テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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