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鼠草紙

週末、例年の如く、丹波篠山市行きを画策。
(前年5月1日、「篠山市」から市名を変更済み)
差し迫る頃になって、昨年、土産物として購入した
2冊の書籍を放置したままになっていたことに気付き、
早速読了。いずれも、奈良絵巻 『鼠草紙』(仮題)をやさしく
書き改めた物で、鼠の権頭(ごんのかみ)が主人公を務める
同系統の伝本が4本確認されているそうです。所蔵するのは
東京国立博物館/サントリー美術館/
ニューヨーク公立図書館スペンサー・コレクション/
丹波篠山市立青山歴史村――となります。
異類婚姻譚でして、人間の姫君と結婚した鼠の権頭が
姫君に逃げ出され、心の平安を求めて出家するという
ストーリーが、現代人にはよくわかりません。教訓性にも疑問。
結婚を勧めたのは清水寺の観音で、権頭が修行僧「ねんあみ」
として赴くのが高野山……真言宗リスペクトなのか、何なのか、
心配になります。五戒(殺生戒/偸盗戒/邪淫戒/妄語戒/
飲酒戒)に一々留保を付けるからには、守る気がさらさら薄く、
猫と共に悟道に入る際も、雑念はたらたら残っているようですし。
非常におかしくて笑える内容だと思うのですが、当時の人らは
どういう風に読んでいたものやら、真剣に考えれば悩ましいところ。

参考文献:『ねずみそうし』(青山歴史村・青山クラン美術館)
       愛原豊『ささやまの絵巻 ねずみのそうし』(創造舎)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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