フランス絵画の精華

ですが、5月26日(火)をもって再開されています。
待ちかねたように、「フランス絵画の精華」を鑑賞しに
行ってきましたよ。副題に挙げられた「ルネ・ユイグの
まなざし」に虚を突かれます。ルネ・ユイグ(1906~
1997)は美術史家。もう一つの副題「大様式の形成と
変容」で何となく、わかったような気はしますけれど、
17世紀の“大様式”(=古典主義)、18世紀のロココ、
19世紀の新古典主義、ロマン主義~印象主義の
誕生前夜に至る フランス絵画の300年を概観しよう
という企画でしょうか。華やかなようでいて、茫洋と
しているような……入館に際して、マスク着用の確認、
検温、健康チェック・シートの記入を求められました
が、想定外の閑散ぶりを、逆に、僥倖として感謝。
数か月ぶりの美術館で、ゆったりとしたペースで
観て回れることが嬉しくてねえ。ジャン=アントワーヌ
・ヴァトーの雅宴画、フランソワ・ブーシェ、ジャン=

オノレ・フラゴナールらの甘ったるさも気にならず。
廃墟好きならば必ずや反応するであろう ユベール・
ロベールは「カンピドリオの丘の空想的景観」、
「スフィンクス橋の眺め」、「洗濯屋」の他、デッサンも
展示されていました。エドゥアール・マネの「散歩」を
最後に目に留めると、嗚呼、近代絵画(印象派)が
始まる!と慨嘆する流れ。3点の作品が写真撮影OK
とされており、ヴァトー「ヴェネチアの宴」、エリザベト
=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン「ポリニャック公爵
夫人、ガブリエル・ヨランド・クロード・マルチーヌ・
ド・ポラストロン」より、妙に謎めいたジャン=フランソワ
・コルソンの「休息」(右画像)が気に懸かりまして……
建築家にして詩人でもあったという画家の経歴にも
魅かれますが……猫の目の輝き具合や背の角度が不自然で
作り物臭く、そうなると小鳥も剥製に見えてきてしまうから、
少女が息をしているのかどうかまで危ぶまれてきてしまいそう。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術