Beyond Mei-Hin

「兵庫県立美術館」へ向かいました。ミュージアム
ロードを南下。開館50周年「超・名品展」を鑑賞する
のです。本来は4月11日からの会期でしたが、6月
2日から7日までの1週間足らずと狭められていました。
マスク着用の確認と検温、兵庫県電子申請共同運営
システムから配信された予約票の提示も必要とされ、
入場時間15時から15時50分までの制限有り(タイム・
オーバーは看過してくれたようです)。不便ではある
けれども、見応えはありました。前身となる“兵庫県立
近代美術館”の開館記念「近代100年名作展」
(1970)、開館5周年記念「近代100年名画展」
(1975)、新開館記念「絵画から工芸まで 近代
100年の名作」(1982)、開館20周年記念「近代
日本の秀作展―時代を貫く美―」等の流れを汲んだ
記念展として、1870~1970年の間の名作約100点が展示されていました。
こうなると、“名作”の時代からも既に半世紀を隔てている訳ですから、必然的に
“名作”の定義そのもの、或いは“美”自体が問い直されるといった事態に陥る
ことになり、1970年代が迫ってくるにつれ、何とももやもやとした気分を抱かされ
ます。従来の基本的な名作を押さえていくには非常に助かりますが、その一方、
自分の眼で見直した上で、美術史自体の読み直しが必須となるでしょう。劈頭に
高橋由一「豆腐」、ラストに岡本太郎「太陽の塔」(1/50マケット)が控える構成は、
ぼく的に十全な納得感。図録も1,000円とお買い得。今回、胸を打った作品を羅列
してみると――林倭衛「出獄の日のO氏」、高村光太郎「裸婦坐像」、萬鐵五郎
「ねて居る人」、秦テルヲ「淵に佇めば」、古賀春江「鳥籠」、北脇昇「独活」、
舟越保武「ダミアン神父」……我ながら、文学趣味だなあ、と面映くなります。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術