観音坂

が、やはり、上町台地の周縁ではありますから、谷町
六丁目界隈も坂道が多々見られます。往年、「大阪
文学学校」に通っていた頃、よく上り下りしたものです。
松屋町筋から谷町筋を経て、上町筋まで東西に延びる
「空堀商店街」自体が坂道ですから。画像(8月21日
撮影分)は「観音坂」。突き当たって、左に折れれば、
Osaka Metro・谷町六丁目駅の2号出口がすぐ近くに
在ります。名称の由来は、“大坂三十三観音”の
第16番「和勝院」の本尊“藤棚観音”に因んだもの。
お寺自体は残っていないのですが、近松門左衛門
『曽根崎心中』の劈頭、「大坂三十三番観音廻り」
にも描かれているのでした――。上りやすなすな
下りやちよこちよこ。上りつ下りつ谷町筋を。
歩みならはず行きならはねば。所体(しょてい)
くづほれアヽはづかしの。もりて裳裾がはらはらはら。はつと返るをうち
かき合せ。ゆるみし帯を引き締め。引き締め。締めてまつはれ藤の棚。
参考文献:近松門左衛門『曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島』(角川ソフィア文庫)
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