★ 2020年11月に読んだ本 ★
小田島雄志『シェイクスピア物語』(岩波ジュニア新書)
……11月の「二人の読書会」テクスト。シェイクスピアも全部読み返してよい時期。
原田マハ『いちまいの絵』(集英社新書)
和辻哲郎『古寺巡礼』(岩波文庫)……マイ・クラシック。十代に読んでいたことを感謝。
『第160回=文楽公演 令和2年10・11月 国立文楽劇場』
(独立行政法人日本芸術文化振興会)
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和2年10・11月』
(独立行政法人日本芸術文化振興会)
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記』(角川文庫)
……マイ・クラシック。和辻を先に読んでいてよかった、としみじみ実感。影響力が
大き過ぎるのです。それも、いとうせいこうではなく、みうらじゅん。ざっくりと見て、
和辻を頂点とする第1次ブームがあり、みうらに始まる第2次ブーム(~現在)が
あると言っても、過言ではないくらい。“ブーム”と言いつつ、息が長いのは仏像故。
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記2 仏友篇』(角川文庫)
……再読。ここまでは昔、単行本で愛読。海外篇辺りから距離を置き始めような。
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記3 海外篇』(角川文庫)
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記4 親孝行篇』(角川文庫)
『関西の仏さま』(京阪神エルマガジン社)……美麗画像が満載の優良ガイド本。
ウィリアム・シェイクスピア『夏の夜の夢』(白水社)……マイ・クラシック。NTR属性も
盛り込まれていたか。野田秀樹版の芝居では、芝居内芝居を演じる割烹料理
「ハナキン」出入業者の1人として、豆腐屋(山中崇)も設定されていました。
関裕二『聖徳太子は蘇我入鹿である』(KKベストセラーズ)
関裕二『物部氏の正体』(新潮文庫)
山田雄司『怨霊とは何か』(中公新書)……三大怨霊=菅原道真・平将門・崇徳院。
博学面白倶楽部『時間を忘れるほど面白い日本地理の謎』(三笠書房)
貴田正子『香薬師像の右手』(講談社)
……11月の「二人の読書会」テクスト。シェイクスピアも全部読み返してよい時期。
原田マハ『いちまいの絵』(集英社新書)
和辻哲郎『古寺巡礼』(岩波文庫)……マイ・クラシック。十代に読んでいたことを感謝。
『第160回=文楽公演 令和2年10・11月 国立文楽劇場』
(独立行政法人日本芸術文化振興会)
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和2年10・11月』
(独立行政法人日本芸術文化振興会)
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記』(角川文庫)
……マイ・クラシック。和辻を先に読んでいてよかった、としみじみ実感。影響力が
大き過ぎるのです。それも、いとうせいこうではなく、みうらじゅん。ざっくりと見て、
和辻を頂点とする第1次ブームがあり、みうらに始まる第2次ブーム(~現在)が
あると言っても、過言ではないくらい。“ブーム”と言いつつ、息が長いのは仏像故。
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記2 仏友篇』(角川文庫)
……再読。ここまでは昔、単行本で愛読。海外篇辺りから距離を置き始めような。
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記3 海外篇』(角川文庫)
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記4 親孝行篇』(角川文庫)
『関西の仏さま』(京阪神エルマガジン社)……美麗画像が満載の優良ガイド本。
ウィリアム・シェイクスピア『夏の夜の夢』(白水社)……マイ・クラシック。NTR属性も
盛り込まれていたか。野田秀樹版の芝居では、芝居内芝居を演じる割烹料理
「ハナキン」出入業者の1人として、豆腐屋(山中崇)も設定されていました。
関裕二『聖徳太子は蘇我入鹿である』(KKベストセラーズ)
関裕二『物部氏の正体』(新潮文庫)
山田雄司『怨霊とは何か』(中公新書)……三大怨霊=菅原道真・平将門・崇徳院。
博学面白倶楽部『時間を忘れるほど面白い日本地理の謎』(三笠書房)
貴田正子『香薬師像の右手』(講談社)
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香薬師の右手
「新薬師寺」の複製「香薬師像」から、盗難事件の経緯を
調べていて、やっぱり、よくわかりませんでした。途中経過で
手足も切断されていて、統合されたイメージすらつかめない。
(両足はともかく、両手なの? 右手だけなの?とか)
きちんとまとめられた文献に当たってみなければ――と、
貴田正子の『香薬師像の右手』を読むことにします。終盤、
夫の貴田晞照が奈良県吉野大峯山修験道の正大先達
と明かされ、何だかずるいよなぁ。やっかむ訳ですけれども、
根気の要る取材を続け、仏像に対する愛がありましたから。
香薬師像の盗難に関する経緯は、以下のとおりとなります。
☆
明治23年(1890)【盗難・1回目】
発見場所:新薬師寺から約800m離れた天満天神社
被害状況:右手が離れ落ちる。
本体と右手ともに捨てられているのが発見される。
・寺に戻った後、右手をつなぐ補正。
明治44年(1911)【盗難・2回目】
発見場所:大阪・住吉の田畑の中
被害状況:右手が再び落とされて、両足は足首から切断。
本体と右手は発見されたが、両足は亡失。
・寺に戻った後、右手を銅版で固定し、木製の両足を補う。
昭和17年(1942)
竹林薫風、水島弘一の2人が実物を石膏で型取りする。
水島が本体に右手、両足、台座を新たに造り付ける。
昭和18年(1943)【盗難・3回目】
被害状況:香薬師本体が盗まれ、現在も行方不明。
本物の右手は寺に残され、一時警察に保管される。
☆
竹林薫風、水島弘一の石膏雌型からは、いくつかの複製が
造られているようで、竹林型複製(石膏像)は茨城県笠間市、
鋳造された水島型複製(銅造)は「東慶寺」(神奈川県鎌倉市)、
「奈良国立博物館」……ぼくの相見えた新薬師寺の複製も
水島型ではありました。ところで、2回目と3回目の盗難の
間を見て気付くように、1回目の盗難時に落ちてしまった右手
(オリジナル)は新薬師寺に残されており、3回目の盗難に
遭った分は、水島弘一が銅で模造した右手だったのです。
では、香薬師本体とは別に、どこかに確実に存在するはずの
右手はどこに?という探求の旅が、貴田正子の労作なのでした。
参考文献:貴田正子『香薬師像の右手』(講談社)
調べていて、やっぱり、よくわかりませんでした。途中経過で
手足も切断されていて、統合されたイメージすらつかめない。
(両足はともかく、両手なの? 右手だけなの?とか)
きちんとまとめられた文献に当たってみなければ――と、
貴田正子の『香薬師像の右手』を読むことにします。終盤、
夫の貴田晞照が奈良県吉野大峯山修験道の正大先達
と明かされ、何だかずるいよなぁ。やっかむ訳ですけれども、
根気の要る取材を続け、仏像に対する愛がありましたから。
香薬師像の盗難に関する経緯は、以下のとおりとなります。
☆
明治23年(1890)【盗難・1回目】
発見場所:新薬師寺から約800m離れた天満天神社
被害状況:右手が離れ落ちる。
本体と右手ともに捨てられているのが発見される。
・寺に戻った後、右手をつなぐ補正。
明治44年(1911)【盗難・2回目】
発見場所:大阪・住吉の田畑の中
被害状況:右手が再び落とされて、両足は足首から切断。
本体と右手は発見されたが、両足は亡失。
・寺に戻った後、右手を銅版で固定し、木製の両足を補う。
昭和17年(1942)
竹林薫風、水島弘一の2人が実物を石膏で型取りする。
水島が本体に右手、両足、台座を新たに造り付ける。
昭和18年(1943)【盗難・3回目】
被害状況:香薬師本体が盗まれ、現在も行方不明。
本物の右手は寺に残され、一時警察に保管される。
☆
竹林薫風、水島弘一の石膏雌型からは、いくつかの複製が
造られているようで、竹林型複製(石膏像)は茨城県笠間市、
鋳造された水島型複製(銅造)は「東慶寺」(神奈川県鎌倉市)、
「奈良国立博物館」……ぼくの相見えた新薬師寺の複製も
水島型ではありました。ところで、2回目と3回目の盗難の
間を見て気付くように、1回目の盗難時に落ちてしまった右手
(オリジナル)は新薬師寺に残されており、3回目の盗難に
遭った分は、水島弘一が銅で模造した右手だったのです。
では、香薬師本体とは別に、どこかに確実に存在するはずの
右手はどこに?という探求の旅が、貴田正子の労作なのでした。
参考文献:貴田正子『香薬師像の右手』(講談社)
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