飛鳥川の橋(2)

しまう前に左へ折れ、近鉄・橿原線を越えて西進。再び、
飛鳥川と巡り合い、そのまま川沿いに歩を運ぶうちに、
赤い欄干が目に留まります。この「蘇武橋」を渡ると、
重要伝統的建造物群保存地区である(奈良県橿原市)
今井町の町並みが待ち受けているのでした。江戸時代
初期の概略では、東西600m、南北310m。周囲に環濠
・土居を築いた寺内町ですけれども、本格的な探索は
またいつの日か、機会を待ちましょう。“蘇武(そぶ)”と
いう名称に関しては、飛鳥川の一部が「蘇武川」と
呼ばれていたそうでして、蘇武川に架かっているから、
蘇武橋。西側の袂に聳えているのが、景観重要樹木
に指定されている「蘇武橋のエノキ」。樹高が15m、
幹周約5m、枝張り約20mで、樹齢420年と推定されて
います。
平成25年(2013)3月24日、開園式の

執り行われた「今井蘇武橋公園」は
整備されてまだ新しく見え、油断して
いれば、園内の「蘇武井(そぶのい)」は
聖徳太子が斑鳩から飛鳥への途上、
愛馬に水を飲ませたと伝えられる井戸
と知らされ、時空間を圧縮された如き
衝撃に面喰らい……ありふれた公園の
片隅に、ついさっきまで、聖徳太子が
そっと佇んでいたかのような戦慄感。
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