角大師坐像

「元三大師堂」の西側の門は1月中、開いている
のかな。“角大師”のTシャツが可愛いじゃないか、
この野郎。元三大師堂に続いて、「亀井堂」、「亀井
不動尊」の集印を経て、小雨降る中、「宝物館」へ。
今回のメインは新春名宝展「元三大師堂 ―鬼と
なった高僧 良源祀る御堂の歴史―」における
期間限定公開(1月17~31日)、元三大師堂秘仏
「角大師坐像」なのでした。劇画チックな表現が
ナイス。「元三大師坐像」や「普賢菩薩坐像」と併せて
堪能しました。慈恵(じえ)大師・良源(912~985)は
もう少し、調べておかなければ……。ちなみに、角大師
坐像は天保3年(1832)の制作。伊勢国の「国束寺(くつかじ)」から遷座された模様。
となれば、ぼくの愛する宝物館のレギュラー・メンバー、「阿弥陀如来坐像」や
「薬師如来坐像」と同じ出身地ではないかしら。宝物館の3大スターのもう1人、
村上炳人「救世観音菩薩半跏像」にも挨拶して退館。集印帳を持参しており、
「猫の門」、「虎の門」、「太子殿(聖霊院)」の
スタンプも入手しました。聖霊院・奥殿の秘仏

「太子四十九歳摂政像」も、駆け込み拝観。
前殿から奥殿へ移動する際、南方の空を見遣る
と、雨靄のせいでしょうか、「あべのハルカス」
上部が消失していて、妙に感動しましたよ。
大阪市内で見ることの出来る“天空の城”?!
四天王寺の集印帳は、33か所用意されている
から、まだまだ……その第三十三番が境外社
なのか、南大門を出て南へ下がる。見えない
ハルカスに引かれ、歩を進めてみましょう。
商船三井築港ビル

Osaka Metro・中央線からニュートラムに乗り
換える必要があって、どうせならば、乗換駅の
コスモスクエアの1つ手前の大阪港で下車。
日本一低い山といわれる天保山(標高4.53
m)も間近い大阪港は、明治36年(1903)、
当時の幅22m、長さ455mの「築港大桟橋」
竣工に始まります。現在の中央突堤に至る
みなと通(国道172号)と海岸通の交わる
北西角に建つのが、「商船三井築港ビル」(大阪市港区海岸通1-5-25)です。
“商船三井”の前身、“大阪商船”が昭和8年(1933)に建築。何度も見舞われた
水没被害への対策として、昭和25年(1950)、
盛り土が施された結果、本来の3階建てが2階

建て(地下1階)となり、元2階の南東角に玄関が
新しく設けられています。最初の玄関は、みなと
通に面した中央にあった模様。さらに、最上階の
両肩部分は1960年代後半の増築。現在は1階
(に見える2階)に、「築港麺工房」本店が入って
おり、“おだしめぐり”を兼ねて、ランチに利用。
ぼくは鶏天ぶっかけうどんを頂きましたが、麺の
コシが凄かったです。だしに、黒門市場の「山長
商店」が提供する“うるめいわし節”も効いています。
お隣の近代建築、「天満屋ビル」は外壁を工事中。
アーバン寄席
芝居そのものより、劇場や芝居小屋、あるいは
舞台裏を偏愛することがあるように、ぼくは時折、
落語を聴きに行っているのでなく、落語会場を
見物するのが主目的になっているような気がします。
その意味では、落語と建築趣味は抵触しませんし、
逆に上手いこと、共存できているようにも思います。
☆
1月20日(水)19時からの「アーバン寄席
in 梅田」を聴きに行きました。NPO法人
「国際落語振興会」の主催でしょうか。会場は
「うめきたSHIPホール」。「グランフロント
大阪」うめきた広場(大阪市北区大深町4-1)
の一画に建つ「うめきたSHIP」の2階となり、
ガラス張りなので、外からも丸見えです。
うめきた広場全体は、安藤忠雄建築研究所
の監修。広場の手前に写るのが、期間限定
アイス・リンク「つるんつるん」、うめきたSHIPの
右奥に「梅田スカイビル」が聳(そび)え立っています。
☆
新型コロナウイルス感染予防のため、180人収容に
対して、限定60人での開催。足元が少し冷えるかな。
桂雀太の弟子、桂源太が前座で取り上げた「延陽伯」は
「寿限無」のような展開で、通常のサゲまで行かず。
ちょっと、意表を突かれました。桂文鹿は「さわやか
アニメソング」。今更なんですが、文鹿さんは美声です。
かつ、何と申しますか、やはり、桂文福師匠の弟子
なんだなぁ、と感慨。トリは桂春雨の「ふぐ鍋」。上手い
と思いましたが、文鹿さんの後では、分が悪かったか。
文鹿さんはネタに合わせて、変身ベルトも着けてきたし。
舞台裏を偏愛することがあるように、ぼくは時折、
落語を聴きに行っているのでなく、落語会場を
見物するのが主目的になっているような気がします。
その意味では、落語と建築趣味は抵触しませんし、
逆に上手いこと、共存できているようにも思います。
☆

in 梅田」を聴きに行きました。NPO法人
「国際落語振興会」の主催でしょうか。会場は
「うめきたSHIPホール」。「グランフロント
大阪」うめきた広場(大阪市北区大深町4-1)
の一画に建つ「うめきたSHIP」の2階となり、
ガラス張りなので、外からも丸見えです。
うめきた広場全体は、安藤忠雄建築研究所
の監修。広場の手前に写るのが、期間限定
アイス・リンク「つるんつるん」、うめきたSHIPの
右奥に「梅田スカイビル」が聳(そび)え立っています。
☆
新型コロナウイルス感染予防のため、180人収容に
対して、限定60人での開催。足元が少し冷えるかな。
桂雀太の弟子、桂源太が前座で取り上げた「延陽伯」は
「寿限無」のような展開で、通常のサゲまで行かず。
ちょっと、意表を突かれました。桂文鹿は「さわやか
アニメソング」。今更なんですが、文鹿さんは美声です。
かつ、何と申しますか、やはり、桂文福師匠の弟子
なんだなぁ、と感慨。トリは桂春雨の「ふぐ鍋」。上手い
と思いましたが、文鹿さんの後では、分が悪かったか。
文鹿さんはネタに合わせて、変身ベルトも着けてきたし。
BANKSY
1月19日(火)、大阪南港「ATC Gallery」(ITM棟2F)まで出掛け、
「バンクシー展」を覗いてきました。副題に「天才か反逆者か」
と冠している訳ですけれども、原文は“GENIUS OR VANDAL?”
になっており、「vandal」を「反逆者」と呼ぶのは、違うよねえ。
さらに言えば、反逆もしていなければ、破壊もしていないと思われ。
匿名のアーティストと謳っておきながら、個人的には、ヒップホップ
(グラフィティは主要構成要素)を上手くビジネスに結び付けた
手腕に呆れさせられましたが。ポップであることは悪いことでなくて、
全然、世代やジャンルは違うけれど、ミック・ジャガーも冷徹なまでに
ビジネスマンだったなぁ、と何故か思い出し。メッセージがストレートな
だけに、若者への訴求力は高いでしょう。ただ、意味を漂白し切って、
単なるオブジェとして眺めれば、特に傑出した技術があるとも見えず、
商業主義に取り込まれてしまう宿命を一体、どうしたらいいのだろう。
入場してすぐの大型3面スクリーンでのグラフィティ紹介は最高でした、
BGMが。つかみは良かったのですが、グッズ売り場でげんなり……
ウィリアム・ホガース(1697~1764)のように、何世紀にも渡って
毒を吐き続け、哄笑できるようになればよいのに……などと願うのは、
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の後遺症かしら。そうだね。
何もしないよりは足掻き続ける方がまし。無節操なコレクター連中に
追いつかれる前に、遁走しながら、後足で砂を撒き散らしていこう。
P.S. 近くまで来ていたのに、「さきしまコスモタワー」には上れず。
「バンクシー展」を覗いてきました。副題に「天才か反逆者か」
と冠している訳ですけれども、原文は“GENIUS OR VANDAL?”
になっており、「vandal」を「反逆者」と呼ぶのは、違うよねえ。
さらに言えば、反逆もしていなければ、破壊もしていないと思われ。
匿名のアーティストと謳っておきながら、個人的には、ヒップホップ
(グラフィティは主要構成要素)を上手くビジネスに結び付けた
手腕に呆れさせられましたが。ポップであることは悪いことでなくて、
全然、世代やジャンルは違うけれど、ミック・ジャガーも冷徹なまでに
ビジネスマンだったなぁ、と何故か思い出し。メッセージがストレートな
だけに、若者への訴求力は高いでしょう。ただ、意味を漂白し切って、
単なるオブジェとして眺めれば、特に傑出した技術があるとも見えず、
商業主義に取り込まれてしまう宿命を一体、どうしたらいいのだろう。
入場してすぐの大型3面スクリーンでのグラフィティ紹介は最高でした、
BGMが。つかみは良かったのですが、グッズ売り場でげんなり……
ウィリアム・ホガース(1697~1764)のように、何世紀にも渡って
毒を吐き続け、哄笑できるようになればよいのに……などと願うのは、
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の後遺症かしら。そうだね。
何もしないよりは足掻き続ける方がまし。無節操なコレクター連中に
追いつかれる前に、遁走しながら、後足で砂を撒き散らしていこう。
P.S. 近くまで来ていたのに、「さきしまコスモタワー」には上れず。
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
天五加工所
気に入った服は、ずっと着倒してしまうから、
お気に入りの服ほど、ぼろぼろになりがち。
先週末の金曜日(15日)、何回か利用したことのある
「天五加工所」(大阪市北区天神橋5丁目6番18号)
に赴いて、グレーのパンツ、女物の黒い上着、
アルパカのロング・コートのリフォームを依頼
(3点で、2,850円)。女物の上着はパチモン故に、
原価を上回りそうだけれど、気にしない、気にしない。
本日、引き取りに行くと同時に、改めて、アルパカの
コートのボタン付けや、オーバーオールの裾直し、
デニム地のバッグのファスナーの修理も依頼しました
(3点で、1,800円だったかな)。アルパカのコートや
オーバーオールはそれこそ、学生時代から着用
していた品だから、何十年もの付き合いになるよ。
☆
「天五加工所」は、天五中崎通商店街を東へ延長し、
天神橋筋や天神橋筋商店街を越えての南側です。
天五中崎通商店街の延長線と天神橋筋商店街の交点から、
南東の並びを西の方から枚挙すると、「リンクルホーム」、
婦人服「PALOMA」、「天五レザー」、「天五加工所」、
ヘア・メイク「A・Success」、「すし政」中店、「オムちゃん食堂」、
「GARDEN CAFE」、「奴寿し」、お好み焼き「美濃」――。
北東の並び(天五加工所の向かい側)を西の方から見ると、
「花菊商店」、「精養軒」、江戸前にぎり寿し「春駒」、
うつわ「山秀」、「ユアーズ薬局」――通りの北側と南側の
店舗数は倍の開き。南側は間口の狭いお店が多いのね。
☆
「精養軒」や「美濃」は、ちょくちょく、使わせてもらって
いたのに、最近はとんと……。「オムちゃん食堂」の前は
1ポンドのステーキハンバーグ「タケル」で、もっと前は、
焼き鳥「萬作」だったように記憶しています。いずれも、
そう遠くない所で営業中。昨年末、「山秀」が改装している
のを見かけて、すわ、飲食店に衣替え(業態変更)か?
勝手に焦るも、まだ、陶器類を扱っている模様。愛用する
土鍋をかつて調達したお店なので、無くなったら哀しいな。
お気に入りの服ほど、ぼろぼろになりがち。
先週末の金曜日(15日)、何回か利用したことのある
「天五加工所」(大阪市北区天神橋5丁目6番18号)
に赴いて、グレーのパンツ、女物の黒い上着、
アルパカのロング・コートのリフォームを依頼
(3点で、2,850円)。女物の上着はパチモン故に、
原価を上回りそうだけれど、気にしない、気にしない。
本日、引き取りに行くと同時に、改めて、アルパカの
コートのボタン付けや、オーバーオールの裾直し、
デニム地のバッグのファスナーの修理も依頼しました
(3点で、1,800円だったかな)。アルパカのコートや
オーバーオールはそれこそ、学生時代から着用
していた品だから、何十年もの付き合いになるよ。
☆
「天五加工所」は、天五中崎通商店街を東へ延長し、
天神橋筋や天神橋筋商店街を越えての南側です。
天五中崎通商店街の延長線と天神橋筋商店街の交点から、
南東の並びを西の方から枚挙すると、「リンクルホーム」、
婦人服「PALOMA」、「天五レザー」、「天五加工所」、
ヘア・メイク「A・Success」、「すし政」中店、「オムちゃん食堂」、
「GARDEN CAFE」、「奴寿し」、お好み焼き「美濃」――。
北東の並び(天五加工所の向かい側)を西の方から見ると、
「花菊商店」、「精養軒」、江戸前にぎり寿し「春駒」、
うつわ「山秀」、「ユアーズ薬局」――通りの北側と南側の
店舗数は倍の開き。南側は間口の狭いお店が多いのね。
☆
「精養軒」や「美濃」は、ちょくちょく、使わせてもらって
いたのに、最近はとんと……。「オムちゃん食堂」の前は
1ポンドのステーキハンバーグ「タケル」で、もっと前は、
焼き鳥「萬作」だったように記憶しています。いずれも、
そう遠くない所で営業中。昨年末、「山秀」が改装している
のを見かけて、すわ、飲食店に衣替え(業態変更)か?
勝手に焦るも、まだ、陶器類を扱っている模様。愛用する
土鍋をかつて調達したお店なので、無くなったら哀しいな。
折々の大豆(6)
前日の朝、社長がまだ生きている夢を見たんだ。
税金問題か何かわからないけれど、身を隠した方がよい
との判断の下、一旦死亡したことにして、世を欺いていた
らしい。ぼくも薄々察してはいたようだけれど、それでも、
ぼく以外の同僚や役員らが事情を知りつつ、ぼくにだけ
伏せていたことに対して、どうして教えてくれなかったの?
号泣し、哀訴する中、目を覚ました。ぼくはまだ生きている。
☆
古川〓(よし)
放射線量検査終へたる峡の畑三年ぶりに青豆作る
※「〓」=「ネ」偏+「其」
☆
作者は、福島県田村市船引町にお住まいのようです。
(『角川 短歌 5月号 2019』からの孫引き)
福島県にも、青豆を含む地大豆が複数種ありました。
2011年3月11日、東日本大震災……片付いた訳でも
ないのに、遠い昔の出来事のようです。阪神・淡路大震災
(1995年1月17日)、地下鉄サリン事件(同年3月20日)、
神戸連続児童殺傷事件=酒鬼薔薇聖斗事件(1997年
2月10日~1997年6月28日)……そんなこともありました。
今がただ過ぎていくこと、いつの間にか、過去(歴史)に
繰り込まれてしまうことを祈り、待っているだけなのかな。
税金問題か何かわからないけれど、身を隠した方がよい
との判断の下、一旦死亡したことにして、世を欺いていた
らしい。ぼくも薄々察してはいたようだけれど、それでも、
ぼく以外の同僚や役員らが事情を知りつつ、ぼくにだけ
伏せていたことに対して、どうして教えてくれなかったの?
号泣し、哀訴する中、目を覚ました。ぼくはまだ生きている。
☆
古川〓(よし)
放射線量検査終へたる峡の畑三年ぶりに青豆作る
※「〓」=「ネ」偏+「其」
☆
作者は、福島県田村市船引町にお住まいのようです。
(『角川 短歌 5月号 2019』からの孫引き)
福島県にも、青豆を含む地大豆が複数種ありました。
2011年3月11日、東日本大震災……片付いた訳でも
ないのに、遠い昔の出来事のようです。阪神・淡路大震災
(1995年1月17日)、地下鉄サリン事件(同年3月20日)、
神戸連続児童殺傷事件=酒鬼薔薇聖斗事件(1997年
2月10日~1997年6月28日)……そんなこともありました。
今がただ過ぎていくこと、いつの間にか、過去(歴史)に
繰り込まれてしまうことを祈り、待っているだけなのかな。
今日から白太夫

「初春文楽公演」第1部を鑑賞します。これにて
全3部公演をコンプリート。第1部の開演15分前から
上演される「幕開き三番叟」も全て見届けることが
出来ました。演目は「菅原伝授手習鑑」車曳の段/
茶筅酒の段/喧嘩の段/訴訟の段/桜丸切腹の段
――茶筅酒の段から桜丸切腹の段までは、ぼくが
文楽劇場で初めて鑑賞した演目なので、感慨深いの。
車曳の段があることで、四郎九郎の苦衷がいよいよ
偲ばれます。吉田玉志の松王丸が良いです。左大臣
時平の人形は吉田玉輝。車曳の段の後、15分休憩。
☆
「(前略)この四郎九郎(しろくろう)、丁七十。この春年頭のお礼にのぼつた時おらが年をお尋ね、七十と申したりや、古来稀な長生き、その上珍しい三つ子の父親。禁裏からご扶持下され、倅(せがれ)どもは御所の舎人(とねり)、めでたいめでたい。生まれ月生まれ日生まれ出た刻限違へず、七十の賀を祝へ、その日から名も改めとて、ナウ聞かしやれ、伊勢の御師(おし)か何ぞのやうに、白太夫(しらたゆう)とお付けなされた。即ち今日が誕生日、白黒まんだらかいは、掃き溜めへ放つてのけ。今日から白太夫といふほどに、さう心得て下され」
☆
右大臣・菅丞相(かんしょうじょう)=菅原道真の下屋敷を預かる
百姓、四郎九郎は70歳の誕生日を機に、「白太夫」と改名するよう
菅丞相から祝されていました。めでたい日に降りかかる災難を
避ける術も無く、桜丸は散り、白太夫は故郷を去り、流罪先に
向かう次第ですけれども、親・白太夫を遣うのは吉田玉男、
桜丸切腹の段で桜丸を遣うのは、彼の師匠の吉田簑助。
2人がいるだけで、舞台の空気が全く異なって感じられます。
最小限の動きで桜丸の最期を表現する簑助自身が人形のよう。
舞台を去る時も介添えが必要に見え、ぞくぞくとさせられました。
生きているのは桜丸で、桜丸を離れた簑助が人形ではないか。
参考文献:『文楽床本集 国立文楽劇場 令和3年1月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
London Calling
ふらりと美術館に足を運ぶ、なんてことも難しくなり、
嗚呼、世知辛い世の中でございます。1月15日(金)、
「肥後橋南蛮亭」(大阪市西区江戸堀1丁目10)の
チキン・カレーを食して、汗をかきながら、「筑前橋」を
渡りました。「大阪中之島美術館」はかなり出来上がり
つつあります。用があるのは「国立国際美術館」。
☆
今月末まで開催される「ロンドン・ナショナル
・ギャラリー展」ですが、日時指定入場券を
購入しなければなりません。ぼくは14時から
入場で、大体14時前でも気軽に入れるだろう
と踏んでいたらば、14時ジャストまで係員の
指示で並ばされ、余計に“密”になるだろうが!
と憤懣やる方なく。元々、開催期間が変更
された経緯もあり(本来は昨夏7月7日~10月
18日)、予習していた分、肩透かしで、興を
殺がれた感が強くてねえ。それでも、さすが「西洋絵画の教科書」と呼ばれるだけ
あって、観応えは十分。日本初公開の全61点を堪能できました。3桁に上らない
61点というのが腹八分目くらいで、ちょうど良い分量ではないでしょうか(鑑賞時間も
1時間を目安にお願いされましたし)。B3Fの会場は、7部門から構成され、Ⅰ イタリア
・ルネサンス絵画の収集、Ⅱ オランダ絵画の黄金時代、Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス
肖像画、Ⅳ グランド・ツアー、Ⅴ スペイン絵画の発見、Ⅵ 風景画とピクチャレスク、
Ⅶ イギリスにおけるフランス近代美術受容――の順に観て回りました。売りとしては、
フィンセント・ファン・ゴッホ「ひまわり」、ヨハネス・フェルメール「ヴァージナルの前に
座る若い女性」なのか。童心に帰ったぼく(怪獣好き)としては、小サイズですが、
パオロ・ウッチェロ「聖ゲオルギウスと竜」、ジャン=オーギュスト=ドミニク・
アングル「アンジェリカを救うルッジェーロ」を推奨します。何だかんだ言いながら、
無料開放されている“市民のための美術館”を持っているのは、羨ましいよなあ。
☆
教養主義を衒っていても、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」のように
どれもこれも名作ばかり……とあっては、根が詰まるかもしれません。
B2Fに上がって、現代美術に触れて、嗚呼、自由だな。息を抜きました。
アートとして気張っていることなく、「西洋絵画の教科書」の後だっただけに
良い意味で緩さが快感(相乗効果)。その「コレクション2 米・仏・独・英の
現代美術を中心に」における国別形式の展示が、国立国際美術館では
初めてだったそうです。意識して観れば、なるほどと感じ取れはしますが、
近代絵画ほど、各国の違いは気になりません。過去のコレクション展や
他の美術館で見覚えた作品が多々あり、毎回、親密感は強まるのでした。
ウッチェロやアングルに加えて(売り場が別)、ジャン・デュビュッフェ
「愉快な夜」、ニキ・ド・サンファール「アダムとイブ」、ヨルク・インメンドルフ
「絵が呼んでいる(最後の自画像Ⅱ)」のポスト・カードを買い求めましたよ。
嗚呼、世知辛い世の中でございます。1月15日(金)、
「肥後橋南蛮亭」(大阪市西区江戸堀1丁目10)の
チキン・カレーを食して、汗をかきながら、「筑前橋」を
渡りました。「大阪中之島美術館」はかなり出来上がり
つつあります。用があるのは「国立国際美術館」。
☆

・ギャラリー展」ですが、日時指定入場券を
購入しなければなりません。ぼくは14時から
入場で、大体14時前でも気軽に入れるだろう
と踏んでいたらば、14時ジャストまで係員の
指示で並ばされ、余計に“密”になるだろうが!
と憤懣やる方なく。元々、開催期間が変更
された経緯もあり(本来は昨夏7月7日~10月
18日)、予習していた分、肩透かしで、興を
殺がれた感が強くてねえ。それでも、さすが「西洋絵画の教科書」と呼ばれるだけ
あって、観応えは十分。日本初公開の全61点を堪能できました。3桁に上らない
61点というのが腹八分目くらいで、ちょうど良い分量ではないでしょうか(鑑賞時間も
1時間を目安にお願いされましたし)。B3Fの会場は、7部門から構成され、Ⅰ イタリア
・ルネサンス絵画の収集、Ⅱ オランダ絵画の黄金時代、Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス
肖像画、Ⅳ グランド・ツアー、Ⅴ スペイン絵画の発見、Ⅵ 風景画とピクチャレスク、
Ⅶ イギリスにおけるフランス近代美術受容――の順に観て回りました。売りとしては、
フィンセント・ファン・ゴッホ「ひまわり」、ヨハネス・フェルメール「ヴァージナルの前に
座る若い女性」なのか。童心に帰ったぼく(怪獣好き)としては、小サイズですが、
パオロ・ウッチェロ「聖ゲオルギウスと竜」、ジャン=オーギュスト=ドミニク・
アングル「アンジェリカを救うルッジェーロ」を推奨します。何だかんだ言いながら、
無料開放されている“市民のための美術館”を持っているのは、羨ましいよなあ。
☆
教養主義を衒っていても、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」のように
どれもこれも名作ばかり……とあっては、根が詰まるかもしれません。
B2Fに上がって、現代美術に触れて、嗚呼、自由だな。息を抜きました。
アートとして気張っていることなく、「西洋絵画の教科書」の後だっただけに
良い意味で緩さが快感(相乗効果)。その「コレクション2 米・仏・独・英の
現代美術を中心に」における国別形式の展示が、国立国際美術館では
初めてだったそうです。意識して観れば、なるほどと感じ取れはしますが、
近代絵画ほど、各国の違いは気になりません。過去のコレクション展や
他の美術館で見覚えた作品が多々あり、毎回、親密感は強まるのでした。
ウッチェロやアングルに加えて(売り場が別)、ジャン・デュビュッフェ
「愉快な夜」、ニキ・ド・サンファール「アダムとイブ」、ヨルク・インメンドルフ
「絵が呼んでいる(最後の自画像Ⅱ)」のポスト・カードを買い求めましたよ。
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術
折々の蒟蒻(5)
締切日の当日消印有効から、締切日必着に
システム変更されて以降、どうにも間に合わず、
やれんなぁ。と感じながらも、締切日を過ぎての
到着を確信しつつ、「角川歌壇」への投稿を
試みている訳ですけれど……昨年の8月号から
誌面全体も読み切れていない状態が続いているし、
まだ1月号も購入していなかったのに、2月号を
先に予約してしまうし、混乱の度合いが酷過ぎ。
(短歌手帖が12月号の付録なのが、紛らわしい)
☆
大森静佳
宦官のもういない世に蒟蒻をあらえばゆびの芯があかるむ
☆
『角川 短歌 5月号 2019』の特集、「ヘビーヴァース
人間を差し出す歌」に引かれていた一首を孫引き。
誌上のテーマに絡めれば、普遍的な存在としての
人間から、個的な存在としての人間を汲み取るため、
触感に焦点を当てた歌――という風な読解でしょう
けれども、野蛮人の散文感覚からすれば、こんにゃくを
冷たい水の中で洗う際に、白く冷え切った指の芯が
ほんのり明るむ――という情景を、くっきりと描き切った
それだけのことに過ぎません。ただ、のっけから唐突な
「宦官」という語の斡旋を行ったことにより、“歌”としての
存在感が極まっている訳ですが、歌壇的に美しいと嘆賞
するか、散文家的に気障な詞章だと鼻白んでしまうか。
ぼく的には、「宦官」、「蒟蒻」という語の対比から、
(そこには無い、非在という形式を取りながらも)却って
生々しい、セクシュアルな臭いを嗅ぎ当ててしまうのよ。
システム変更されて以降、どうにも間に合わず、
やれんなぁ。と感じながらも、締切日を過ぎての
到着を確信しつつ、「角川歌壇」への投稿を
試みている訳ですけれど……昨年の8月号から
誌面全体も読み切れていない状態が続いているし、
まだ1月号も購入していなかったのに、2月号を
先に予約してしまうし、混乱の度合いが酷過ぎ。
(短歌手帖が12月号の付録なのが、紛らわしい)
☆
大森静佳
宦官のもういない世に蒟蒻をあらえばゆびの芯があかるむ
☆
『角川 短歌 5月号 2019』の特集、「ヘビーヴァース
人間を差し出す歌」に引かれていた一首を孫引き。
誌上のテーマに絡めれば、普遍的な存在としての
人間から、個的な存在としての人間を汲み取るため、
触感に焦点を当てた歌――という風な読解でしょう
けれども、野蛮人の散文感覚からすれば、こんにゃくを
冷たい水の中で洗う際に、白く冷え切った指の芯が
ほんのり明るむ――という情景を、くっきりと描き切った
それだけのことに過ぎません。ただ、のっけから唐突な
「宦官」という語の斡旋を行ったことにより、“歌”としての
存在感が極まっている訳ですが、歌壇的に美しいと嘆賞
するか、散文家的に気障な詞章だと鼻白んでしまうか。
ぼく的には、「宦官」、「蒟蒻」という語の対比から、
(そこには無い、非在という形式を取りながらも)却って
生々しい、セクシュアルな臭いを嗅ぎ当ててしまうのよ。
ニューダルニー
![]() |
![]() |
「黒岩伽哩」へ足を向けてみるも、営業して
おらず、仕方なく、黒門市場の方へ矛先を
転じました。相変わらず、活気の無くなった
ままの商店街を南下中、そう言えば、久しく
利用していなかったと思い出し、カレーの店
「ニューダルニー」(大阪市中央区日本橋
2丁目12-16)に入ります。鶴橋で働いて
いた時代、時折、利用していた記憶があり。
商店街のアーケードが切れる辺りの角地に
建っています。カウンター席だけのアット・
ホームな雰囲気はそのままでしたが、テイク
・アウト用なのか、レトルト商品も店頭で販売
するようになっていました。昭和22年の創業。
スパイス・カレーとは一線を画する、素朴な
カレー・ライスです。学食のカレーの牛肉の
比率を高めたような塩梅。ビーフ・カレーが
600円、レトルト・パックは500円で販売中。
tag : カレー