ローム文楽

「舞台芸術としての伝統芸能 Vol.3 人形浄瑠璃
文楽」を鑑賞しました。演目は「端模様(つめもよう)
夢路門松」と、「木下蔭(このしたかげ)狭間合戦」竹中
砦の段――です。「端模様」は、(基本的に)つめ人形
しか出てこないという吉田簑太郎(現・桐竹勘十郎)作。
夢落ちは苦手なのですが、趣向が面白かったので、
良しとします。「竹中砦の段」は、人形浄瑠璃としての
上演が87年ぶりというレアな演目。勘十郎、鶴澤藤蔵
を交えてのディスカッションや前説等で活躍していた
スーパーバイザー、木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎・主宰)の
目利きぶりが光りました。事前に、元々使用予定だった
サウスホールからメインホールへの変更が為され、会場が広くなった分、両サイドに
空席が出来る格好となり、その本来は座れない席(ぼくの前列)に着席して、出入り
する人がいて、気にはなっていたのですが、木ノ下氏と察知しました。17時前まで、
たっぷりと文楽を愉しめ、大満足。また、人形文化研究者・菊地浩平がパンフレットに
書いていた「遣い手が見えなくなることだけが人形劇の目指すべき理想のように
語られることがしばしばある。不思議でならない」に深く首肯。舞台裏に生きて
きて、裏方に注意せざるを得ない性分ですから、人形以上に、人形遣いに見入って
しまう ぼくのような者もいる訳。斜に見るでなく、穿ち過ぎるでなく、それが習い性。
☆
「舞台芸術としての伝統芸能」はシリーズでして、

「ロームシアター京都」の開館5周年記念事業。
もう5年かと驚きます。平成28年(2016)1月
10日にリニューアル・オープン。ネーミング・
ライツによる現名称ですが、正式名称は「京都
会館」。前川國男の設計によって、昭和35年
(1960)に開館。すぐ東隣に「京都市美術館
別館」が在ります。そう言えば、その「京都市
美術館」も、昨年3月21日から「京都市京セラ
美術館」として再オープンしていましたねえ。
リニューアル案の設計者は、青木淳と西澤徹夫。
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