揚州八怪

「揚州八怪」を観に出掛けました。“揚州八怪”
とは、中国の清朝18世紀、揚州を舞台に活躍
した書画家8人を指しますが、後世の批評家が
恣意的にセレクトしたものですから、一般的な
金農、鄭燮(ていしょう)、黄慎(こうしん)、李鱓
(りぜん)、李方膺(りほうよう)、汪士慎、高翔、羅聘
(らへい)――の他、高鳳翰(こうほうかん)、陳撰、
華嵒(かがん)、辺寿民、楊法、閔貞(びんてい)、
李葂(りべん)が加えられ、15人も名が挙がります。大阪市立美術館では、昭和44年
(1969)にも揚州派を紹介しており、今回は52年ぶりの開催。惜しむらくは、「上海
博物館」から来日予定だった作品が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、
画像での紹介に留まったこと。中国書画について無知を極める ぼくですから、新鮮な
気持ちで73件の作品に当たりましたよ。無心に眺めても、高鳳翰の指頭画や、金農の
漆書に歓喜。印刷や文字デザインに興味を持つ人ならば、俄然、食い付きますよね。
揚州は当時、塩業を中心に豪商が台頭し、いわば、近代化の幕開け。伝統的な水墨画
と異なるのは、客筋の違い。自らの作品を商品として取り扱うことに抵抗を覚えなかった
市場社会の申し子と言えるでしょう。因みに揚州、古くは、鑑真の出身地でもあります。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術