★ 2021年9月に読んだ本 ★
梅原猛『飛鳥とは何か』(集英社文庫)
谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』(中公文庫)……マイ・クラシックにして、9月の
読書会のテクスト。高校時代の友人、Y・M が激推ししていたけれど、谷崎にはもっと
凄い作品が多々あるのだがなあ、と当時も感じていたのです。ただ、生硬なだけに、
若かりし日の谷崎の主義主張(時代と寝た作風)が直截に表れているのが、興味深く
ありますね。水島爾保布(におう)の挿画も掲載。また、中井英夫の解説が最高。
丸谷才一『日本文学史早わかり』(講談社文芸文庫)……“小説”という文学ジャンルを
信奉しているだけに、近代文学に偏した自分の文学史観を根底から見つめ直させられ
ました。確かに、文学のメインの形式が“詩”であるからには、詞華集によって時代を
区分するという手法は、じわじわと首肯させられざるを得ません。八代集時代以前/
八代集時代/十三代集時代/七部集時代/七部集時代以後――の5期に分けられ
ますが、和歌(詩)の時代区分ではなく、あくまで文学史としての区分であることに
注意。勅撰集……“天皇”という存在が改めてクローズ・アップされ、思考の対象に。
笠原英彦『歴代天皇総覧』(中公新書)
小田部雄次『肖像で見る歴代天皇125代』(角川新書)
岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
(ダイヤモンド社)……今さら、読むような物ではないと思いつつ。秋元臭が酷い。
井上靖『天平の甍』(新潮文庫)……井上靖など、ぼくの“読まず嫌い”の筆頭に上がる
作家でした。今春の特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」を機会に、一読してみた
訳ですけれども、最大の驚きは、鑒眞(=鑑真)が主人公ではなかった!ということ。
豊田有恒『崇峻天皇暗殺事件』(講談社文庫)
豊田有恒『長屋王横死事件』(講談社文庫)
豊田有恒『聖徳太子の悲劇』(祥伝社)
豊田有恒『邪馬台国作戦』(角川文庫)……SFジュブナイル。表題作の他、「異次元の
道」、「白骨怪獣ガイア」、「光る来訪者」を所収。カバー・イラストも“昭和”の空気。
豊田有恒『倭王の末裔』(角川文庫)……副題に、「小説・騎馬民族征服説」。
司馬遼太郎スタイルというか(あそこまで酷くはないけど)、小説の流れに、作者の
解説が地の文でカット・インしてくるのね。俗っぽい云々以前に、気が散ります。
嗚呼、NHKの大河ドラマもそうだわ。(一見)客観的な立ち位置から、ナレーションを
挟んでくるような感じ。豊田有恒の説が愉しくて、ついつい、許してしまいますが。
谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』(中公文庫)……マイ・クラシックにして、9月の
読書会のテクスト。高校時代の友人、Y・M が激推ししていたけれど、谷崎にはもっと
凄い作品が多々あるのだがなあ、と当時も感じていたのです。ただ、生硬なだけに、
若かりし日の谷崎の主義主張(時代と寝た作風)が直截に表れているのが、興味深く
ありますね。水島爾保布(におう)の挿画も掲載。また、中井英夫の解説が最高。
丸谷才一『日本文学史早わかり』(講談社文芸文庫)……“小説”という文学ジャンルを
信奉しているだけに、近代文学に偏した自分の文学史観を根底から見つめ直させられ
ました。確かに、文学のメインの形式が“詩”であるからには、詞華集によって時代を
区分するという手法は、じわじわと首肯させられざるを得ません。八代集時代以前/
八代集時代/十三代集時代/七部集時代/七部集時代以後――の5期に分けられ
ますが、和歌(詩)の時代区分ではなく、あくまで文学史としての区分であることに
注意。勅撰集……“天皇”という存在が改めてクローズ・アップされ、思考の対象に。
笠原英彦『歴代天皇総覧』(中公新書)
小田部雄次『肖像で見る歴代天皇125代』(角川新書)
岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
(ダイヤモンド社)……今さら、読むような物ではないと思いつつ。秋元臭が酷い。
井上靖『天平の甍』(新潮文庫)……井上靖など、ぼくの“読まず嫌い”の筆頭に上がる
作家でした。今春の特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」を機会に、一読してみた
訳ですけれども、最大の驚きは、鑒眞(=鑑真)が主人公ではなかった!ということ。
豊田有恒『崇峻天皇暗殺事件』(講談社文庫)
豊田有恒『長屋王横死事件』(講談社文庫)
豊田有恒『聖徳太子の悲劇』(祥伝社)
豊田有恒『邪馬台国作戦』(角川文庫)……SFジュブナイル。表題作の他、「異次元の
道」、「白骨怪獣ガイア」、「光る来訪者」を所収。カバー・イラストも“昭和”の空気。
豊田有恒『倭王の末裔』(角川文庫)……副題に、「小説・騎馬民族征服説」。
司馬遼太郎スタイルというか(あそこまで酷くはないけど)、小説の流れに、作者の
解説が地の文でカット・インしてくるのね。俗っぽい云々以前に、気が散ります。
嗚呼、NHKの大河ドラマもそうだわ。(一見)客観的な立ち位置から、ナレーションを
挟んでくるような感じ。豊田有恒の説が愉しくて、ついつい、許してしまいますが。
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007:Daniel Craig
007 シリーズ、第25作目 『NO TIME TO DIE』は、
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、
2020年4月、2020年11月、2021年4月の公開が延期
され、改めて、10月1日の日本公開が決定しています。
6代目・James Bond となる Daniel Craig のボンド
引退作であり、ダニエル・クレイグ版としては5作目。
Sam Smithの「Writing's On The Wall」が好きで、
Sam Mendes 監督の『SPECTRE』(2015)はVODで
鑑賞済みでしたが、他の作品はきちんと通して観ておらず、
これを機に、Amazon プライムでダニエル・クレイグ版を
通しで観ようと企み、Martin Campbell 監督 『CASINO
ROYALE』(2006)、Marc Forster 監督 『QUANTUM
OF SOLACE(慰めの報酬)』(2008)を明け方まで、或いは、
サム・メンデス監督の『SKYFALL』(2012)を真夜中過ぎに鑑賞。
イアン・フレミングの原作は、子供の頃に全て読んでいますが、
映画は全く関係無いしね……特に、『ムーンレイカー』辺りから。
(実際に夜更かししたのは、9月27日のこと。当日の午後はくたくたでした)
続けて観ることで発見できることもあります。『スカイフォール』の
真のボンド・ガールはM (=Judi Dench)だったのか、等。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、
2020年4月、2020年11月、2021年4月の公開が延期
され、改めて、10月1日の日本公開が決定しています。
6代目・James Bond となる Daniel Craig のボンド
引退作であり、ダニエル・クレイグ版としては5作目。
Sam Smithの「Writing's On The Wall」が好きで、
Sam Mendes 監督の『SPECTRE』(2015)はVODで
鑑賞済みでしたが、他の作品はきちんと通して観ておらず、
これを機に、Amazon プライムでダニエル・クレイグ版を
通しで観ようと企み、Martin Campbell 監督 『CASINO
ROYALE』(2006)、Marc Forster 監督 『QUANTUM
OF SOLACE(慰めの報酬)』(2008)を明け方まで、或いは、
サム・メンデス監督の『SKYFALL』(2012)を真夜中過ぎに鑑賞。
イアン・フレミングの原作は、子供の頃に全て読んでいますが、
映画は全く関係無いしね……特に、『ムーンレイカー』辺りから。
(実際に夜更かししたのは、9月27日のこと。当日の午後はくたくたでした)
続けて観ることで発見できることもあります。『スカイフォール』の
真のボンド・ガールはM (=Judi Dench)だったのか、等。