文楽+文鹿
本年の「初春文楽公演」も、第1部と第3部は無事に観る
ことが出来、残るは第2部のみとなりました。1月12日(水)
14時15分から、第2部「絵本太功記」二条城配膳の段/
夕顔棚の段/尼ヶ崎の段の鑑賞です。文楽の常として、
“太功(閤)記”とありましても、主役は決して、真柴久吉
(=羽柴秀吉)でなく、武智光秀という趣向なのであります。
史実を捻るだけでなく、人形浄瑠璃文楽の名作自体も
シャッフルするかのように、配膳では「仮名手本忠臣蔵」の
高師直と塩谷判官の絡みが脳裏を過るし、尼ヶ崎では
「ひらかな盛衰記」の樋口次郎兼光よろしく、武智光秀も
松の大木に登らないといけないようですし。浪人時代の
光秀が「寺子屋の御師匠様」で命をつないでいたと腐され、
自然と第1部の「菅原伝授手習鑑」を連想しますしねえ。
さて、代役で見直した翌日だけに、夕顔棚の豊竹藤太夫も
好印象(三味線は、急病の竹澤團七に代わって竹澤團吾)。
尼ヶ崎は、豊竹呂勢太夫と鶴澤清治が前、豊竹呂太夫
と鶴澤清介が後でした。今の呂勢太夫は最強の観有り。
人形役割は、武智光秀が桐竹勘十郎、尾田春長が
(急病の吉田文司に代わって)吉田文哉、森の蘭丸が
吉田玉翔、武智十次郎が吉田玉佳、母さつきが桐竹勘壽、
真柴久吉が吉田玉志でした。なるほど、“太十”は面白し。
☆
Osaka Metroを乗り継いで、梅田へ移動。阪急電車に
乗り換え、門戸厄神で下車。18時30分から、「門戸寄席
(J:SPACE)」にて開演の「桂文鹿ミニ独演会」を聴くの
です。「ミニ独演会」開催が毎月1回と決まっているように、
「古々粋亭」(奈良市)の「お気軽独演会」、「らくごカフェ」
(東京都千代田区神田町)の「プチ独演会」、「円頓寺
レピリエ」(名古屋市)の「リトル独演会」――と、2022年
開催が決定しており、文鹿さんが攻めていますよ。開口
一番から、「ちりとてちん」。開口二番として、桂雪鹿の
「平林」。登場人物に桂文福一門の面々を交える演出が
愉快。続く文鹿「さわやか健康ランド」で中入り。トリの
「お文さん」を生で聴くのは初めてかもしれません。捨て子の
趣向に「艶容女舞衣」酒屋の段、サゲの“御文さま(さん)”に
前夜鑑賞したばかりの「染模様妹背門松」蔵前の段での
「白骨の御文」がシンクロして、何とも言われぬ脳内エンドルフィン。
☆
それ、人間の浮生(ふしょう)なる相をつらつら観ずるに、おほよそ儚(はかな)きものは この世の始中終(しちゅうじゅう) 幻の如くなる一期なり
朝(あした)には紅顔あつて夕べには白骨となれる身なり、野外に送りて夜半の煙となし 果てぬれば唯白骨のみぞ残れり
早く後生の一大事を心に掛けて 阿弥陀仏を深く頼み参らせて 念仏を申すべきものなり、あなかしこ あなかしこ
ことが出来、残るは第2部のみとなりました。1月12日(水)
14時15分から、第2部「絵本太功記」二条城配膳の段/
夕顔棚の段/尼ヶ崎の段の鑑賞です。文楽の常として、
“太功(閤)記”とありましても、主役は決して、真柴久吉
(=羽柴秀吉)でなく、武智光秀という趣向なのであります。
史実を捻るだけでなく、人形浄瑠璃文楽の名作自体も
シャッフルするかのように、配膳では「仮名手本忠臣蔵」の
高師直と塩谷判官の絡みが脳裏を過るし、尼ヶ崎では
「ひらかな盛衰記」の樋口次郎兼光よろしく、武智光秀も
松の大木に登らないといけないようですし。浪人時代の
光秀が「寺子屋の御師匠様」で命をつないでいたと腐され、
自然と第1部の「菅原伝授手習鑑」を連想しますしねえ。
さて、代役で見直した翌日だけに、夕顔棚の豊竹藤太夫も
好印象(三味線は、急病の竹澤團七に代わって竹澤團吾)。
尼ヶ崎は、豊竹呂勢太夫と鶴澤清治が前、豊竹呂太夫
と鶴澤清介が後でした。今の呂勢太夫は最強の観有り。
人形役割は、武智光秀が桐竹勘十郎、尾田春長が
(急病の吉田文司に代わって)吉田文哉、森の蘭丸が
吉田玉翔、武智十次郎が吉田玉佳、母さつきが桐竹勘壽、
真柴久吉が吉田玉志でした。なるほど、“太十”は面白し。
☆

Osaka Metroを乗り継いで、梅田へ移動。阪急電車に
乗り換え、門戸厄神で下車。18時30分から、「門戸寄席
(J:SPACE)」にて開演の「桂文鹿ミニ独演会」を聴くの
です。「ミニ独演会」開催が毎月1回と決まっているように、
「古々粋亭」(奈良市)の「お気軽独演会」、「らくごカフェ」
(東京都千代田区神田町)の「プチ独演会」、「円頓寺
レピリエ」(名古屋市)の「リトル独演会」――と、2022年
開催が決定しており、文鹿さんが攻めていますよ。開口
一番から、「ちりとてちん」。開口二番として、桂雪鹿の
「平林」。登場人物に桂文福一門の面々を交える演出が
愉快。続く文鹿「さわやか健康ランド」で中入り。トリの
「お文さん」を生で聴くのは初めてかもしれません。捨て子の
趣向に「艶容女舞衣」酒屋の段、サゲの“御文さま(さん)”に
前夜鑑賞したばかりの「染模様妹背門松」蔵前の段での
「白骨の御文」がシンクロして、何とも言われぬ脳内エンドルフィン。
☆
それ、人間の浮生(ふしょう)なる相をつらつら観ずるに、おほよそ儚(はかな)きものは この世の始中終(しちゅうじゅう) 幻の如くなる一期なり
朝(あした)には紅顔あつて夕べには白骨となれる身なり、野外に送りて夜半の煙となし 果てぬれば唯白骨のみぞ残れり
早く後生の一大事を心に掛けて 阿弥陀仏を深く頼み参らせて 念仏を申すべきものなり、あなかしこ あなかしこ
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