ON THE NILE

15時40分から、Kenneth Branach 監督の 『ナイル
殺人事件』を鑑賞しました。毎月1日は入場券1,200円。
『オリエント急行殺人事件』(2017)の続編ですが、
007 同様、新型コロナウイルスの影響で、何度も公開
延期を喰らい、今回ようやく……ポスター中心に立つ
大富豪令嬢、リネット・リッジウェイ(Gal Gadot)の殺人
事件が本筋ながらも、力点はケネス・ブラナー演じる
エルキュール・ポアロの生き様に置かれているように
感じました。映画もリメイクですし、アガサ・クリスティは
大方読んでいるのですけれど、ポアロの口髭の来歴は
初めて描かれたはずです。また、ポアロが他人を愛せず、
探偵として生きていくことを選んだ経緯も説明され、その性格をきつく難じられるシーンも
哀切でした(代償の一つとして、友人を失うことにもなります)。ミステリーとしての予定
調和をどれだけ愉しめるか――を踏み越え、ポアロとブルースとの邂逅は非常に興味
深くもあり、ラストでブルース・シンガーの歌うクラブに通い詰めるポアロの姿に、一抹の
救いを感じ取れました。ところで、リネットの恋敵ジャッキー(Emma Mackey)が、
途中から Margot Robbie にしか見えず、ワンダーウーマン vs ハーレイ・クイン
という構図を密かに愛でていた訳です。それを言えば、あっさり、脳天を撃ち抜かれる
ワンダーウーマンには幻滅で、役柄とはいえ、ガル・ガドットは損な役回りでしたねえ。
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