秋刀魚の歌
あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝へてよ
――男ありて
夕餉(ゆふげ)にひとり
さんまをくらひて
思ひにふける と
さんま さんま
そが上に青きみかんのす(酸)きしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里の習ひなり
その習をあやしみなつかしみて 女は
いく度か青き蜜柑をもぎて夕餉に向ひけむ
あはれ 人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児(こ)は
小さき箸(はし)をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸(わた)をくれむといふにあらずや
☆
何故に、JR紀伊勝浦駅前に、佐藤春夫の
詩歌碑があるのか? と疑問に思った訳です
が、和歌山県出身(東牟婁郡新宮町=現・
新宮市)でしたかね。「秋刀魚の歌」はべた
過ぎて、読むのを途中でやめましたけれど
(冒頭に詩歌碑から転記した詩文も、全文では
ありません)、南方熊楠や中上健次が頭を
過り、妙な土地だなあ……と好奇心を募らせ、
次はいつ訪れることが出来るのでしょうか?
秋風よ
情(こころ)あらば伝へてよ
――男ありて
夕餉(ゆふげ)にひとり
さんまをくらひて
思ひにふける と
さんま さんま
そが上に青きみかんのす(酸)きしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里の習ひなり
その習をあやしみなつかしみて 女は
いく度か青き蜜柑をもぎて夕餉に向ひけむ
あはれ 人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児(こ)は
小さき箸(はし)をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸(わた)をくれむといふにあらずや
☆

詩歌碑があるのか? と疑問に思った訳です
が、和歌山県出身(東牟婁郡新宮町=現・
新宮市)でしたかね。「秋刀魚の歌」はべた
過ぎて、読むのを途中でやめましたけれど
(冒頭に詩歌碑から転記した詩文も、全文では
ありません)、南方熊楠や中上健次が頭を
過り、妙な土地だなあ……と好奇心を募らせ、
次はいつ訪れることが出来るのでしょうか?
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