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★ 2022年7月に読んだ本 ★

トルーマン・カポーティ『夜の樹』(新潮文庫)……7月の「二人の読書会」のテクスト。
 所収は「ミリアム」、「夜の樹」、「夢を売る女」、「最後の扉を閉めて」、「無頭の鷹」、
 「誕生日の子どもたち」、「銀の壜」、「ぼくにだって言いぶんがある」、「感謝祭の
 お客」。ぼくの好きなタイプの端正な幻想小説(風)。大小説家でなくともよいんだ。
菅野俊輔『江戸っ子が惚れた忠臣蔵』(小学館)
大阪市史編纂所編『大阪市の歴史』(創元社)……大阪市というか、北区の歴史に
 嵌まり込んでいる。拒みはしないけれど、視野狭窄に陥るのだけは避けなければ。
坂口安吾『安吾史譚』(PHP文庫)……柿本人麿、道鏡童子、源頼朝、小西行長、
 直江山城守、天草四郎、勝夢酔を取り上げている。「道鏡童子」は、短編「道鏡」で
 読んだ内容とほぼ変わらず。小西行長が面白かった。秀吉も行長も愚かではない。
 阿呆なふりをして立ち回って見せるも、真の狙いは何か。目的を達せればよい。
『第167回=文楽公演 令和4年7・8月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)……第1部(親子劇場)は観ていません。
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和4年7・8月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
『ggg Books 別冊-9 松永真』(DNP文化振興財団)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

大阪第一生命ビル

ヒルトンプラザ大阪」と2022_07_31_旧「大阪第一生命ビルディング」レリーフ照明大阪梅田ツインタワーズ・
サウス
(阪神百貨店梅田本店)」の間、JR大阪駅の
真南に建っているのが「大阪第一生命ビルディング
(大阪市北区梅田1丁目8-17)。平成2年(1990)11月に
竣工。現在は地上19階・地下5階(88.78 m)ですが、
昭和28年(1953)5月20日に完成した大阪第一生命
ビルディング
」は、当時日本一の高層ビル(12階建て、
40.75m)だったそうです。地上に、流政之「げんつき
げんちゃん
や、世木田茂樹「タイムパル ADEMU」
等が設置されているのは知っていましたけれどもね。
地下フロアで、旧ビルの“レリーフ照明”が保存されて
いるのを見つけ、嬉しくなりました。昭和の香りが漂ってくる
ようで、旧ビル同様、応援したくなってきましたよ、今頃。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

GendrdⅠ GendrdⅡ

2022_07_30_Barry Flanagan「GendrdⅠ GendrdⅡ」 平成15年(2003)3月6日に竣工した「梅田DT
 タワー
」B1階は、地上とB2階「ディアモール
 フィオレ
」の間、階段の踊り場のような印象を
 持っているのですけれど、Barry Flanagan
 (1941~2009)のブロンズ像、「GendrdⅠ
 GendrdⅡ
」が設置されています。1994年の
 制作か。象に乗った野兎が一対……どちらが
 Ⅰで、どちらがⅡか、わかりません。正面(北に
 非ず)に見えているのが、JR大阪駅。上がって
西に在る「大阪マルビル」の自転車置き場で、鈴木政夫「花の二人に出逢えます。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

他山の橋

2022_07_29_大阪天満宮_宿車 今年も奉納花火が中止となったせいか(陸渡御は3年
 ぶりに復活)、「天神祭」(7月24~25日)がいつの間にか
 終わっていて……働き詰めで、祭り見物の余裕なんぞ
 無かったにしろ。7月29日(金)13時、Nさんの発案による
 まち歩きの第1回「若手養成高座」(非公式?!)を挙行。
 先月に行ったばかりの「浪花百景の昨今」の復習と
 いった体でした。左画像は「大阪天満宮」表大門近くで、
 普段はお目にかかれない「車宿」。全体として、やはり、
 錦絵を用意しての解説・絵解きだけでは、お話にならず、
 “昨今”故に、過去と現在(~未来)の比較・対照を盛り
 込まないといけませんね。「大坂橋」自体の出自の胡散
 臭さを理由に、橋に上がらなかったことが勿体ないです。
「大坂橋」の上から、他の「京橋」、「寝屋川橋」の架かり方、(現在の)川の流路を
確認することで、将棊島の行方や寝屋川の付け替えが目に見えて、説明しやすくなる
というメリットがあります。マクロ/ミクロ、巨視的/微視的にとらえていかなければ。

参考文献:高山禮蔵 『大阪・京都・神戸 私鉄駅物語』(JTBキャンブックス)

テーマ : 史跡
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡

桑山薬

 「オヽいとしや。生まれて一夜も母が肌を放さぬもの。晩からは父親と寝ねしやゝ。二人の子供が朝ぶさ前忘れず、必ず桑山(くわやま)飲ませてくだされ。ナウ悲しや。」
       ☆
『心中天網島』にて、舅・五左衛門に連れ去られる
おさんが、別れる2人の子供に言い残した言葉です。
朝ぶさ」は「朝目を覚ました時、子供が食べる菓子類
(女性語)らしいですが、まだ、想像がつきました。
しかし、「桑山」って、何? 調べないとわかりません。
大坂天王寺口縄坂上の珊瑚寺より売り出した小児薬。
豊臣時代桑山法印が朝鮮より持ち帰った薬法による
もので、万能薬とされた
」そうです。ふむ。四天王寺
界隈を散策する折、「珊瑚寺」も見かけている訳ですが、
桑山法印(重晴)のことは、全く、意識したことがなく。

参考文献:『近松門左衛門集』(新潮社)

テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽

Chandelier Table

夏休み文楽特別公演」を観た後、「阪急うめだ本店」へ2022_07_26_「Chandelier Table」
向かいました。世界初のターミナル百貨店であった「阪急
百貨店
」は、昭和4年(1929)4月15日に開業しています。
「阪急百貨店」の入っていた梅田阪急ビル」は拡張を
繰り返し――昭和48年(1973)3月に第8期工事が完了。
3月14日、「阪急ターミナルビル」が完成し、昭和52年
(1977)8月8日、「阪急グランドビル」も完成――百貨店
と「阪急グランドビル」の間に、(旧)南北コンコースも誕生
しました。平成17年(2005)からは、全面建て替えが
行われ、平成24年(2012)に現在の「阪急うめだ本店」が
グランド・オープン。その際、南北コンコースも現行の物に
変更されています。18時半から予約を入れていた「阪急
うめだ本店」13階の「シャンデリアテーブル」には、旧
コンコースから移設されたモザイク壁画や大シャンデリア
等の建築意匠が存在し、ビア・ガーデンより、何よりも、
伊東忠太(1867~1954)が目当てだったのですよ。
忠太のデザインによるオリジナルの四神――「(青)」、
玄武ではなく)天馬」、白虎ではなく)獅子」、「鳳凰」―
―の他、「太陽と八咫烏」、「月と」など、妙で面白く。
旧・南北コンコースの南にグランドドームが在って、その
南側に東西コンコース(忠太デザイン)が続いていたように
思われるのですが、往時の案内図が無く、自信が持てず。
呑み放題のカジュアル・プラン(5,000円)で、ラムを基本に
空けながら、女子スタッフに忠太の講釈などを垂れて、
ご機嫌になっていましたが、単眼鏡のケースを忘れてしまい、
本日(27日)出勤前、回収するために立ち寄りましたとさ。

参考記事:写真でたどる阪急ターミナルタウン50年の変遷《梅田編》【TOKK2022年5月号】
       霊獣 往時の輝き今に 阪急うめだ本店のガラスモザイク

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築呑む

紙屑屋治兵衛

2022_07_26_紙屋治兵衛 7月26日(火)13時30分から、「国立文楽劇場」にて、
 「夏休み文楽特別公演」第2部(名作劇場)を鑑賞。
 生では3回目の観劇となる「心中天網島」北新地
 河庄の段/天満紙屋内の段/大和屋の段/道行
 名残の橋づくし――でした。紙屋治兵衛の駄目男
 ぶりを受け容れられるかどうかが、肝でしょうか。
 “橋づくし”は、やはり、省略パターンとなりますが、
 小春・治兵衛の道行きにおいて大川を渡ったのが
 「天満橋」でなく「天神橋」とされていたことで、少々
 混乱しています。原文の「北へ歩めば。我が宿を
 一目に見るも見返らず
」から、「天神橋」の北に在る
 治兵衛の家(お前町=宮前町)とは逆に、天神橋を
南へ渡ったと読み、「聞くも恐し。天満橋 」については、「天満橋」を渡ったのでなく、
南袂を通り過ぎたと受け取る訳か。紀の国屋小春が桐竹勘十郎、紙屋治兵衛が
吉田玉男、女房おさんが吉田和生――と、力の入った人形役割。太夫と三味線も、
河庄の前が豊竹呂勢太夫/鶴澤清治、後が竹本織太夫/鶴澤清志郎、天満
紙屋の切が竹本錣太夫/竹澤宗助、大和屋の切が豊竹咲太夫/鶴澤燕三――
と贅沢な布陣でした。それでも、今回心に残ったのは(治兵衛の屑っぷりを除く)、
吉田玉也の粉屋孫右衛門。孔明の首で演じられていました。なお、新型コロナ
ウイルス感染症の濃厚接触者となったことから、吉田簑一郎(五貫屋善六)の
代わりに吉田簑紫郎、吉田玉翔(河庄亭主)の代わりに吉田和馬が出ています。

テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽

1995.8

2022_07_25_河合隆三(1995_8) 「ホワイティうめだ」NOMOKA の北端に在る
 防災センターまで聴き込みに赴くも、空振りに
 終わりました。その足で大阪駅前南交差点へ。
 「JRE 梅田スクエアビル」の西端に、不思議な
 オブジェを見つけています。ベンチなのか、何
 なのか? 河合隆三の名を確かめるも、制作
 年なのか、作品名なのか、「1995.8」としか
 記されていないんですよねえ。「梅田スクエア
 ビル」の旧名、「梅田第一生命ビル」の竣工が
平成7年8月なので、同ビルと併せて設立されたのでしょう。丸いと円錐形の巻貝
―現行のロゴに変更される前、「ディアモール」(1995年10月12日開業)の旧ロゴ(?!)が、
赤い丸と黄色い三角をあしらっていて、もしかすると、意識を働かせていたのでしょうか。
河合隆三の作品は、「オオサカガーデンシティ 西梅田」の西の外れに在る「西梅田
公園
」でも発見しており、そのうちに紹介するつもりが、順番が狂ってしまいました。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術建築

花の二人

2022_07_24_鈴木政夫「花の二人」 連日、大阪駅前南交差点周辺を探索している
 のですが、2023年春に建て替えられることが
 決定している「大阪マルビル」北側の歩道で
 発見した鈴木政夫花の二人」。鈴木政夫
 (1916~2002)は、石工の家に生まれた
 彫刻家。後方に「昭和54年5月吉日」と刻まれて
 いました。「梅田ダイヤビル(=マルビル)」
 竣工3年後ですね。両サイドから自転車に詰め
 寄られ、虐げられているように見えなくもない
2人が手にしているのは花束。すぐ近くの「ディアモール大阪」出入り口から地下に
下りていけば、円形広場です。円形広場の中央には、「フローラ」と思わしき女神の
像が立っていて、彼女が手にしているのも花。奇しくも、花つながりではあるのだなあ。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術建築

ダイヤモンド考

大阪駅前南交差点(五差路)の南西角辺りに建っている
大阪マルビル」(大阪府大阪市北区梅田1丁目9-20)の
建て替えが公表されています。昭和51年(1976年)4月16日、
梅田ダイヤビル」の名称で開業しており、元々、「大阪
マルビル」は愛称でした。塔屋部分を含めた高さは124m。
ダイヤモンド地区”のほぼ中央に位置しているとして、
旧称が「梅田ダイヤビル」だった模様。大阪駅前南交差点の
南東に建つ「梅田DTタワー」の“DT”も、何の略かと言えば、
ダイヤモンドタワー」でした(「タワー」が重複しているとの
突っ込みや、“ドコモ説”は却下)。DTは平成4年(1992)6月、
「竹中工務店」により着工されるも、不況の煽りを受け、翌年
中断。平成15年(2003)3月6日に竣工しています。B2階が
ディアモール フィオレ」。「ディアモール大阪」の開業は、
その間の平成7年(1995)10月12日でした。「梅田スクエア
ビル
」は当初、「梅田第一生命ビル」として、平成7年(1995)
8月の竣工(2008年1月にビル名変更)、「E-MA」の開業は
平成14年(2002)4月24日のこと。「ディアモール大阪」全体が
なだらかに傾斜しており、周辺ビルの階数との齟齬が悩ましく
……「阪神梅田本店」の「阪神食品館」はB1。因みに、地上の
大阪駅前南交差点の直下が、「ディアモール」円形広場です。

参考記事:大和ハウス工業株式会社 ― 「大阪マルビル」を建て替えます

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 建築

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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