Chloris
「ディアモール大阪」の話を続けてみましょうか。フロア
マップをご覧になっていただければ、おわかりのとおり、
阪神百貨店の南西角に在る円形広場から、放射状に
延びている地下街が(ファッショナブルストリートを除く)
「ディアモール大阪」と言えます。円形広場には女神が
立っています――問題が、この女神は何者なのか?
まずは、「ディアモール大阪」という愛称自体から解読
していきましょう。本義としては、「ダイヤモンド地区」の
ショッピング・モール、「Dia(mond)」+「モール」だった
と思われます。正式名称が、「大阪駅前ダイヤモンド
地下街」なのですから。しかしながら、ショッピング・モール
(shopping mall)で通そうとすれば、スペルが異なります。
「Diamall」でなく、「Diamor」ですもの。ここから、怪しげな逸脱が始まります。
「イタリア語の女神(ディア)+愛(amor)」と、牽強付会されるのですが……
イタリア語で女神は「dea」ですから、首を若干傾げます。目を瞑ったにしても、
それを象徴したと思われる円形広場の女神は何者か? という最初の振り出しに
戻る訳です。シンプルに“愛の女神”と解せば、ローマ神話における美と愛の女神、
Venus=Aphrodite(ギリシャ神話)ですか。しかし、生殖と豊穣の女神であれば、
より豊満であり、肉感的であるのが常である世のヴィーナス像と比して、円形広場の
造形は、あまりにも楚々として、初々しく映るのです。時折、語感が類似する(?!)
月の女神、Diana(=Artemis)を持ち出されたりもするのですが、語頭「Dia-」が
一致するだけでは、根拠が薄弱に感じられます。造像に処女性が感じられる点で
近付いてはいますが、ディアーナは狩猟神ですから、もう少し、毅然とした芯の
強さが欲しいですし、アトリビュートが花(?)らしき点も釈然とせず。弓矢ではなく、
どう見ても、花です……べた過ぎる結論ですけれども、ここは花(と春)の女神、
Flora(=Chloris)と受け取るのが順当な結論ではないでしょうか。円形広場の
すぐ南東に面しているのが、「ディアモール フィオレ」と呼ばれるエリアでした。
「fiore」はイタリア語で“花”の意となります(傍証1)。傍証2は、円形広場から
カジュアルストリートを南下して、ファッショナブルストリートとの西交差点に在る
モザイク画のZephyrosです。(春と初夏のそよ風を運ぶ)西風の神・ゼピュロスに
さらわれ、結婚して、花と春を司る女神となったのがクローリスといわれています。

マップをご覧になっていただければ、おわかりのとおり、
阪神百貨店の南西角に在る円形広場から、放射状に
延びている地下街が(ファッショナブルストリートを除く)
「ディアモール大阪」と言えます。円形広場には女神が
立っています――問題が、この女神は何者なのか?
まずは、「ディアモール大阪」という愛称自体から解読
していきましょう。本義としては、「ダイヤモンド地区」の
ショッピング・モール、「Dia(mond)」+「モール」だった
と思われます。正式名称が、「大阪駅前ダイヤモンド
地下街」なのですから。しかしながら、ショッピング・モール
(shopping mall)で通そうとすれば、スペルが異なります。
「Diamall」でなく、「Diamor」ですもの。ここから、怪しげな逸脱が始まります。
「イタリア語の女神(ディア)+愛(amor)」と、牽強付会されるのですが……
イタリア語で女神は「dea」ですから、首を若干傾げます。目を瞑ったにしても、
それを象徴したと思われる円形広場の女神は何者か? という最初の振り出しに
戻る訳です。シンプルに“愛の女神”と解せば、ローマ神話における美と愛の女神、
Venus=Aphrodite(ギリシャ神話)ですか。しかし、生殖と豊穣の女神であれば、
より豊満であり、肉感的であるのが常である世のヴィーナス像と比して、円形広場の
造形は、あまりにも楚々として、初々しく映るのです。時折、語感が類似する(?!)
月の女神、Diana(=Artemis)を持ち出されたりもするのですが、語頭「Dia-」が
一致するだけでは、根拠が薄弱に感じられます。造像に処女性が感じられる点で
近付いてはいますが、ディアーナは狩猟神ですから、もう少し、毅然とした芯の
強さが欲しいですし、アトリビュートが花(?)らしき点も釈然とせず。弓矢ではなく、
どう見ても、花です……べた過ぎる結論ですけれども、ここは花(と春)の女神、
Flora(=Chloris)と受け取るのが順当な結論ではないでしょうか。円形広場の
すぐ南東に面しているのが、「ディアモール フィオレ」と呼ばれるエリアでした。
「fiore」はイタリア語で“花”の意となります(傍証1)。傍証2は、円形広場から
カジュアルストリートを南下して、ファッショナブルストリートとの西交差点に在る
モザイク画のZephyrosです。(春と初夏のそよ風を運ぶ)西風の神・ゼピュロスに
さらわれ、結婚して、花と春を司る女神となったのがクローリスといわれています。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術