宝寿橋(朝護孫子寺)

(出て行けば、どこにも帰ってこれず)、流れる水のように
やがては砂地に吸い込まれ、涸れ果て、消え失せる。
子供の頃に読み耽った探偵小説ばかり、手元に寄せて、
万年床に寝そべり、頁を繰る引き籠もりの廃人になる。
つい一週間前の愉しかった信貴山を思い浮かべながら。
☆
「朝護孫子寺」の「榧の木稲荷社」から(融通殿を有する)
「成福院」や「玉蔵院」へ向かおうとして、木漏れ日の中、
石橋が架かっているのが見えます。感じの良い「宝寿橋」
でした(実際の親柱に刻まれている橋名は旧字体です
けれども)。画像の奥に垣間見えるのが「融通殿」で、
手前には寅ポストも立っていましたっけ。「天気は心配
しなくていい。『きっと晴れるから』と言っていたでしょ」と、
その日は何度、口にしたことかしら。決して雨は降らない。
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