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大仏炎上

風太郎忍法帖の第11作 『伊賀忍法帖』なんぞを
読んでいます。忍法小説で日本史を学び直すのも
一興ではありませんか。伊賀忍者・笛吹城太郎を
主人公にして、服部半蔵、柳生新左衛門(石舟斎)、
上泉伊勢守信綱、果心居士を配し、7人の根来
と城太郎の闘いが描かれます。根来僧を操るのは
松永弾正久秀ですけれど、冒頭に千宗易(利休)を
持ってくるのが憎い。何より、舞台設定が懐かしく
(「朝護孫子寺」ばかりか、「東大寺」大仏殿も登場)。
       ☆
(松永弾正は)野卑厚顔なところがあるかと思うと、一方で美に対して凄味をおびた感性がある。それは天守閣の創案者であったことにあらわれているが、その孫に有名な連歌師(れんがし)松永貞徳が出ていることでも、彼の血のなかに一種の奇怪な芸術家が棲(す)んでいたことがわかる。
       ☆
 伊賀の首領、服部半蔵であった。
 服部家はふるくは平氏の一門で、源平時代から伊賀国服部郷を領する豪族であった。代々、しだいに勢力をひろげ、今では伊賀一円、北の甲賀までの谷々を統
(す)べる一族となっている。
       ☆
 現在 信貴山にある歓喜院(かんぎいん)朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)は、いにしえの聖徳太子が創立されたそのものではなく、これがいちど滅び失せ、そのあとに松永弾正信貴山城を築き、さらにこれが滅び失せたあと、豊臣秀頼が再建したものであるが、ここを訪れる人はふかい山中に忽然としてあらわれる竜宮のような大寺院に眼を見張り、かつ断崖と巨石をつらねる大伽藍の大奇観におどろかざるを得ない。

参考文献:山田風太郎『伊賀忍法帖』(講談社文庫)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説仏像

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
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好きな言葉は「ごちそうさま」。

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