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星の王子さまの日

6月29日は「星の王子さまの日」でした。
『星の王子さま』を著した Antoine de
Saint-Exupéry
(1900~1944)の誕生日。
特に意識することなく、同書を今月の読書会の
テクストに選び、また、読了した日がちょうど
記念日だったので、何やら、どきりとさせられ。
高校時代の友人が愛読していまして、数年前、
家族構成が変わった時に、自宅の書棚から
消えていた本でもありました。良かれ悪しかれ、
様々な記憶が蘇ってくるマイ・クラシック……。
       ☆
(王子さま)「だれかが、なん百万もの星のどれかに咲いている一輪の花がすきだったら、その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、しあわせになれるんだ。そして、〈ぼくのすきな花が、どこかにある〉と思っているんだ」
       ☆
 あの花のいうことなんか、きいてはいけなかったんだよ。人間は、花のいうことなんていいかげんにきいてればいいんだから。花はながめるものだよ。においをかぐものだよ。ぼくの花は、ぼくの星をいいにおいにしてたけど、ぼくは、すこしもたのしくなかった」
       ☆
言語中心主義者からすれば、言葉をちゃんと
聴こうとしない姿勢は、憤懣遣る方ないところで
あるのですけれども……外見だとか、匂いだとか、
即物的な要素に囚われているように思われるかも
しれませんが、言行一致(知行合一)、身体的な
行為を含めた全体的な言葉=人間を受け容れる
と考えればよいように思います。狭い口先だけの
「言葉」に人間を押し込めないようにすることです。
       ☆
 「ぼくは、あの時、なんにもわからなかったんだよ。あの花のいうことなんか、とりあげずに、することで品定めしなけりゃあ、いけなかったんだ。ぼくはあの花のおかげで、いいにおいにつつまれていた。明るい光の中にいた。だから、ぼくは、どんなことになっても、花から逃げたりしちゃいけなかったんだ。ずるそうなふるまいはしているけど、根は、やさしいんだということをくみとらなけりゃいけなかったんだ。花のすることったら、ほんとにとんちんかんなんだから。だけど、ぼくはあんまり小さかったから、あの花を愛するってことが、わからなかったんだ」
       ☆
『星の王子さま』の原題は、『Le Petit Prince』
リトル・プリンス――殿下のことしか、頭に浮かばず、
困ってしまいそうですけれど。また、ぼくの愛読書、
マキアヴェリの『君主論』の英題が 『The Prince』
プリンスは、いろいろと複雑な存在ではありまして。
       ☆
 「あんたたちは美しいけど、ただ咲いてるだけなんだね。あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。そりゃ、ぼくのバラの花も、なんでもなく、そばを通ってゆく人が見たら、あんたたちとおんなじ花だと思うかもしれない。だけど、あの一輪の花が、ぼくには、あんたたちみんなよりも、たいせつなんだ。だって、ぼくが水をかけた花なんだからね。覆いガラスをかけてやったんだからね。ついたてで、風にあたらないようにしてやったんだからね。ケムシを――二つ、三つはチョウになるように殺さずにおいたけど――殺してやった花なんだからね。不平もきいてやったし、じまん話もきいてやったし、だまっているならいるで、時には、どうしたのだろうと、きき耳をたててやった花なんだからね。ぼくのものになった花なんだからね」
       ☆
(キツネ)心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ
       ☆
 「あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラのために、ひまつぶししたからだよ」
       ☆
「めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。まもらなけりゃならないんだよ、バラの花との約束をね……」

参考文献:サン=テグジュペリ 『星の王子さま』(岩波書店)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説

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たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
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