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納豆の官能検査法

おいしくて風味のある納豆を安定して作るには、記録を取ることが肝要だ。発酵後の品質検査では、外観(色・形)、香り、糸引き(粘り)、味などの評価を記録するとよい。訓練を重ねることによって、アミノ酸分析計よりも管理者の官能検査の方が信用できるようになる。

また継続することで異状が起きた際、すぐに原因を突き止められ、対策を講じられるようにもなる。官能評価は総合的な生産の評価であり、結果判定となる。官能検査法の一例として、農林水産省食品総合研究所・納豆試験法研究会が採用した1990年の方法を挙げよう。

納豆は冷蔵庫から出して、室温に1時間放置した後に官能検査を行う。色などの外観については、納豆の上面と下面を検査する。上面についてはポリエチレンフィルムを取って検査、下面はPSP(ポリスチレン・ペーパー)容器を外側から手で揉んで、PSP容器と納豆をはがすようにしておく。その後、容器を逆さまにして納豆を容器のふたの上に載せ、裏面の外観を検査する。粘りは、納豆を割りばしで20回かき回した後、割りばしで(50g入りの場合)納豆の2分の1または3分の1を摘まんで40センチメートルくらい持ち上げて観察する。次いで香りをかぎ、豆の硬さや味を検査する。

多数の納豆を続けて官能検査する時は、しょう油を10倍に薄めてうがいしながら行うとよい。結果は官能検査表に記載する。対照には日常食べている納豆を基準に置き、評価段階の「3」を普通とし、「5」を良い、「1」を悪いとする。備考欄には、評価した理由をできるだけ詳しくメモしておく。

判定基準としては、具体的な評価項目に(1)納豆菌の被り(2)溶菌状態(3)割れ、つぶれ、皮むけ(4)豆の色(5)香り(6)硬さ(7)味(8)糸引き(9)総合評価——が挙げられる。最後の総合評価とは、(1)〜(8)を全体的に考えての評価で、異物やチロシンの結晶などが見られた時は、総合評価の備考欄に記載するとしている。

参考文献:渡辺杉夫『食品加工シリーズ(5) 納豆 原料大豆の選び方から販売戦略まで』(農山漁村文化協会)
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たまに「考える人」、歴史探偵。
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