枯木橋

近代建築等が存在し、出掛ける前から下調べは行って
いたのですが、2日足らずでは到底、押さえられる訳も
ございません。それでも、当初の企図には無かった
掘り出し物に出会えると本当にうれしいもので、例えば
「枯木橋」。名近代建築「金沢文芸館」(旧「高岡銀行」
橋場支店)を正面に見て、右手に架かっている小ぶりの
橋です。コンパクトで、街の風景に溶け込んでいるような
佇まいが素敵です。城の最も外側に巡らした土や石の
囲いは“惣構(そうがまえ)”と呼ばれていまして、その堀が
“惣構堀”。第2代藩主・前田利長が慶長4年(1599)に
築いた2つの堀の一方、東内惣構堀に架かっています。
「枯木橋」の名の由来にはいくつかあるようで、元亀・天正の乱(1570年代)によって
焼き払われた「久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎのみや)」境内の枯れた林に因むという
説、正保年間(1644~1647)頃までは丸木を並べた橋で、その傍らに在った1本の
枯れ木に因むという『越登加三州志』説、『亀の尾の記』でも、元は丸木を縦に
並べた物で、橋の脇に立っていた榎が後に枯れるも、そのまま残っていたという記述。
……約400年以上の由縁がどうあれ、現在の橋自体も明治25年(1892)4月の竣工。
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