大随求菩薩坐像

京都市バスに乗って五条坂で下車。そのまま五条坂を
登ったので、清水坂のような混雑は免れたのですが、
日本人は修学旅行生くらいで、アジア圏を筆頭に
周囲は外国人ばかり。現代日本の立ち位置を感じます。
正気に返ろうと、甘味処「皐月亭」でみたらし団子と
蕎麦をアテに冷酒を呷った後、参詣しました。
西門を右手に仁王門を潜り、鐘楼と三重塔の間を通過。
先月、「祇園閣」3階から眺められた清水寺の塔は、
三重塔だったのか? それとも子安塔だったのか?
国内最大級(約31m)の三重塔の方が目立ちそうですが、
位置的には子安塔だったのかな。桧皮葺きの屋根を葺き替え中の本堂、阿弥陀堂、
奥の院、音羽の滝……「地主神社」なども観て回りましたが、何と言っても、今回の
メインは「慈心院(=随求堂)」。随求(ずいぐ)堂の本尊、「大随求菩薩坐像」が
堂内においては222年ぶりとなる公開だったのです。本堂厨子内に安置されている
「十一面千手観音立像」ほどではないにせよ、秘仏は秘仏。春先(3月2~18日)に
拝めなかったため、今秋(10月5~15日)を待っていたのですよ。本当に一期一会。
大随求菩薩坐像は、江戸時代(1728)の造像。高さ約1.1mの木造で、豪奢な宝冠は
バランスを崩さんばかりの大きさ。円形光背に、八臂の持物も金ぴかで、じゃらじゃら
しています。蓮華座も単に派手なだけでなく、獅子が息を潜めていました。秘仏の
公開時期は当然限られていますが、随求堂では平素から“胎内めぐり”を体験可能。
堂内の漆黒の地下室へ下り、大ぶりの数珠だけを頼りに「随求石」を目指すトリップ。
闇と光……単純極まりない仕掛けなのですが、視覚というものが、どれだけ、人間の
原初的な感覚を基礎付けているものか、痛烈に思い知らされ、愕然とさせられます。
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