お半長の世界
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公演」を聴きに出掛けました。この日は第1部のみ。
当日券を買い求めて、11時前に着席。三味線格の
人間国宝、鶴澤寛治が9月5日に逝去されたと知り
……「夏休み文楽特別公演」での「新版歌祭文」
野崎村の段が最期の舞台でしたか。何事であれ、
一期一会と噛み締めながら、「蘆屋道満大内鑑」
葛の葉子別れの段、信太森二人奴の段を聴きます。
まだ童子である安倍晴明が活躍するはずはなく、
安倍保名を付け狙う石川悪右衛門と葛の葉(狐)の
争闘の中、葛の葉と安倍童子の別れが描かれて
います。異類であることを示す独特の足取りや狐
言葉が面白く、2人の葛の葉姫に続いて、2人の奴
=与勘平と野干平のやり取りなど、コミカルな展開も
多く、あっという間に休憩時間に入りました。一旦、
劇場を出ると、カルビ丼専門店「えびす亭」を利用。
(「たこ焼きえびす」の系列店)。次の演目が「桂川
連理(れんりの)柵(しがらみ)」六角堂の段、帯屋の段、
道行朧の桂川です。いわゆる“お半長”――お半と
長右衛門の心中物ですが、義母おとせ、弟・儀兵衛
(おとせの連れ子)らの陰湿ないじめに、苛々と
フラストレーションが溜まります。丁稚・長吉が出て
きてのチャリ場もあるのですが。しかし、長右衛門も
魔が差したにせよ、14歳の小娘に手を出すなよ、と。
ところで、この帯屋の段、おとせが長右衛門の妻・
お絹をいびる場面は、上方落語「胴乱の幸助」でお馴染みでした。知らず知らず、
落語の故郷に行き逢ったような……最後まで妙に穏やかな心持ちで鑑賞しました。
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