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フジハラビル

一見して疑いなく「近代建築」物件なのですけれども、2018_12_18_フジハラビル_2
明らかに、空気感が異なっていました。矛盾する表現
にしかなりませんが、“生きている建築”どころか、
“生きている近代建築”と言いましょうか、公の
お墨付きのある「大阪市中央公会堂」などとは
また違った立ち位置を感じさせてくれるのが、
天神橋筋商店街の南外れに建つ「フジハラビル」です。
生きているというか、生かされて、生々しく蠢いている
ゾンビのような存在感に気圧されます(褒め言葉)。
何とは無しに惹かれ、周囲を観察して回ったり、
内部に立ち入って探検気分を味わったりしてきた
旧知の建築物件です。大阪市北区天神橋1-10-4
に在り、大正12年(1923)の建設。もうすぐ100歳ですね。

2018_12_18_フジハラビル_1 以下、『大大阪モダン建築』からの受け売り――。
 現オーナーの藤原英祐氏が昭和63年(1988)、
 先代から「フジハラビル」を譲り受けた時は、特に
 どうといった関心も無く、そのまま放置しつつあった
 そうです。ところが、見知らぬ建築ファンなどから
 次第に声を掛けられることが増えるにつれ、ビルの
 再生を決意。床や壁を塗り直し、照明を付け替え、
 4階にはサン・ルームを造成するなど、外壁の補修
 以外は、自らの手作業で改修。4階と地下には
 ギャラリーを設けるなどしたことで、演劇や音楽など
 アートの場として開放され、方向付けられたような
 格好です。建物の内外にアートなオブジェも多々。
ぼくが「フジハラビル」に感じる生気の正体は、作り手の意志なのかもしれません。

参考文献:『新装版 大大阪モダン建築』(青幻社)
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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築美術

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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