不快臭、前から消すか後から抜くか

こんにゃくのアルカリ臭を毛嫌いする人は多い。アルカリを用いなければアルカリ臭もないのだが、アルカリでなければこんにゃくが固まらない(ゲル化しない)。こんにゃく業者を悩ませる永遠のアポリアである。

前回はこんにゃくのゲル化を進める一方、徐々に中和させることでアルカリ臭を抑える製法(特許出願公開平1-2002271号)を紹介したが、今回は2006年に入ってから公開された特許を2件紹介しよう。ゲル化した後か、ゲル化する前かの違いはあるが、いずれもこんにゃくの臭いを抑えるアイデアである。

まずは、2006年3月2日に公開された「包装済みコンニャク食品の脱臭方法および包装済みコンニャク食品」(特開2006-55133)。こんにゃくを未調理で袋に密閉して販売する状態、あるいは調理せずに生の状態で食する即席こんにゃく食品から、こんにゃく特有のアルカリ臭(トリメチルアミン等の悪臭成分)を簡単に取り除くことを課題としたもの。

こんにゃくそのものは通常どおり、(アルカリ臭を有する)水とともに袋に密閉するのだが、その際に脱アルカリ臭液を密封したもう一つの袋も備え、こんにゃくの入った袋を開封すると同時に、脱アルカリ臭液袋も開くようにして、こんにゃく食品のアルカリ臭を脱臭するという仕組みだ。

もうひとつは、同年9月28日に公開された「消臭こんにゃくとその製造方法」(特開2006-254881)。こんにゃくの「魚の腐敗したような臭い」をどうやって消すかを課題とし、でき上がったこんにゃくからアルカリ臭を抜くのでなく、こんにゃくを固める前段階で、アルカリ臭を無効にする作戦を採ったもの。

その方法は、水に二価鉄を主成分とするミネラル液を添加した溶液に、こんにゃく粉を投入し、60分〜90分膨潤させる。その間にこんにゃく粉に含まれる臭いの成分、トリメチルアミンが分解される。こんにゃく用凝固剤、水酸化カルシウムの溶液にも、この二化鉄を主成分としたミネラル液を溶かし込む。この石灰乳を混練機で膨潤したゾル状のこんにゃくに混入する。こうして加熱して凝固させたこんにゃくは、こんにゃく特有の臭いのない三成分系こんにゃくとなるのだという。
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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