麹菌とテンペ菌のプロテアーゼ活性

味噌・醤油の醸造に使用されている麹菌(Aspergillus属)とテンペ菌(Rhizopus属)を蒸米と蒸煮大豆の原料に生育させ、主に大豆たんぱくの分解に関与すると考えられる各種酵素の活性を中心に、両菌株の間で比較検討を加えた。テンペとは周知のとおり、インドネシアの無塩発酵大豆食品。生育量(菌糸の量)の指標となるグルコサミン量については、大豆麹のグルコサミン量が米麹の2倍前後ある。また麹菌、テンペ菌とも、蒸米より蒸煮大豆の方が生えやすい。

大豆雑学(201112)

(麹菌など)アスペルギルス属の生育や酵素生産のためには、C/N比――原料中の炭水化物(C源)と窒素(N源)の割合――が重要になる。米麹の原料白米はC源が多く、N源は少ない。逆に大豆麹はN源が多く、C源が不足する。N源が増すとアルカリ性や中性プロテアーゼの生産も増加するが、酸性プロテアーゼは減少する。米麹のプロテアーゼの主体が酸性プロテアーゼであるのは、N源が少なくC/N比が高いため。大豆麹ではC/N比が極めて低いため、中性〜アルカリ性プロテアーゼが主体を占める。

一方で、(テンペ菌など)リゾープス属の米麹では酸性プロテアーゼが特に高く、大豆麹では酸性〜中性プロテアーゼの差異が見られない。アルカリ性プロテアーゼについては、米麹、大豆麹とも低い。よって、リゾープス属はアスペルギルス属と異なり、米や大豆など原料のC/N比が異なっても、プロテアーゼのバランスに変化はないとみられる。

【注】グルコサミン(C6H13NO5)とは、グルコース(ブドウ糖。別名デキストロース)の一部の水酸基がアミノ基に置換されたアミノ糖のひとつ。麹菌やテンペ菌の菌糸には、グルコサミンが含まれている。また、プロテアーゼはたんぱく質分子のペプチド結合を加水分解する酵素。

参考文献:今野宏さん((株)秋田今野商店社長)の特別講演「日本人の食生活を守る大豆発酵食品の歴史と役割」より
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