食品衛生と水

2003年からここ十年間の「年次別原因別食中毒発生状況」(厚生労働省公表)を表1にまとめてみた。事件数そのものは、1,500件前後から1,000件強まで減少。食品衛生をめぐる状況は随分と改善されたと見えなくもないが、(大豆を含む)豆類の加工品での食中毒もまたなかなかゼロには抑え切れていない。食中毒を完封できたのは、この十年のうち2004、2005、2010年のみ。白いんげんが主因とはいえ、2006年には33件も発生している。

とりわけ食品製造に携わる者であるならば、例えば、近々の2012年での発生件数1(発生率0.1%)を取るに足らぬデータとして看過するわけにはいかない。たとえ統計上の数値では1件であれ、事は一般消費者の健康、時と場合によっては人命にも関わる一大事なのである。もちろん、製造業者の経営環境に対して、命取りになることは言うまでもない。

厚生労働省ではまた、病院および診療所などの医療施設を利用する患者について、その傷病の状況などの実態を明らかにし、医療行政の基礎資料を得るため、「患者調査」を行っている。推計患者数を傷病別に見た年次推移を表2にまとめた。直近の2011年、医療施設を利用した推計総患者数は約860万2,000人。そのうち、皮膚疾患などで病院に通ったのは全体の約3%を占める約27万人。当然、この患者の中には、食品製造に携わり、業務上、皮膚のトラブルに見舞われた者も含まれるであろうことは、想像に難くない。

「五訂日本食品標準成分表」によると、絹ごし豆腐の水分は100グラム当たり89.4グラム。木綿豆腐は同86.8グラム、焼き豆腐は同84.8グラム、堅く絞られ水分の最も少ない沖縄豆腐でも100グラム当たり81.8グラム──と、まさに豆腐は9割方、水によって成り立っている。そんな豆腐の製造に深くまつわり、衛生環境を左右するのもやはり水。

豆腐の製造工程では、そもそも大豆の浸漬〜煮沸からして、水を使用するわけで、各種の製造設備、機械・器具の洗浄もあって、豆腐作りに携わる人は、常に水に触れている。水を扱う仕事だから、皮膚疾患のような深刻なトラブルに見舞われなくとも、手荒れなどに悩まされ、水の在り方を日頃から意識せざるを得ないだろう。食品衛生法では、食品製造に用いられる水が「飲用適」であることを規定している。

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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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