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Caravaggio

2月7日(金)、「あべのハルカス美術館」に赴いて、2020_02_07_カラヴァッジョ展_01
カラヴァッジョ展」を鑑賞しました。本当は「待ちに
待った」と形容したいところですが、素直に喜べない
諸般の事情もあって……元々、2019年度は「あべの
ハルカス美術館」で “ヨーロッパ3ヶ国めぐり”という
西洋美術3展連続開催の企画が組まれていました。
フランスの「ギュスターヴ・モロー展」、英国の
ラファエル前派の軌跡」展、そうして、今回の
イタリアです。予め、お得な3展セット券を入手し、
待ち構えていたぼくが最も期待していたのが、17世紀
バロック絵画の創始者、Michelangelo Merisi da
Caravaggio
(1571~1610)。特に、日本初公開(
しかも、大阪会場のみ)となる「ホロフェルネスの首を
斬るユディト
」はポスターやチラシで散々煽られていた
だけに、展示不可と知った時のがっかり感は半端なく。
(どうやら、チケットの払い戻しすら行われていたようです)
       ☆
2020_02_07_カラヴァッジョ展_02 そのユディトと「瞑想するアッシジの聖
 フランチェスコ」が、イタリア側の手続き
 不備から展示できず、代わりにメインを
 張っていたのが、「法悦のマグダラの
 マリア
」……悪くはないですけどねぇ。
 頭の中がユディトに染まっているから、
 後期のポスター等に小さく刷られた
 「赦したまえ。」の文字が、ユディト
 展示不可のお詫びにしか読めないし。
初公開の「リュート弾き」や「洗礼者聖ヨハネ」、「歯を抜く人」等は面白かったです。
ただし、「聖セバスティアヌス」だけは、カラヴァッジョと同時代のルイ・フィンソン
方が断然、ぼくの好みかな。カラヴァッジョの作品数自体が限られていることも与って、
17世紀のナポリ画壇やカラヴァッジョ様式の画家を含め、計43点の出品にとどまるも、
その分、画家の人物紹介やイラスト等がかなりのスペースを占めていました。殺人まで
犯した無頼の画家を無理して聖人扱いしようとする手口には、憫笑しか湧きませんが。
天才信仰で糊塗しようとするのも無駄で、悪は悪、美は美と切り分ければよいものを。
「法悦のマグダラのマリア」が美しいのは、崇高で敬虔な宗教的な感情とは無縁で、
溺死体のように白く膨れ上がった肉塊にも、何かしらの“美”が存するという事実のみ。


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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
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