2020年のゴッホ展

よね。2月下旬に来場者が10万人を
突破していたことなどを思い出しつつ、
3月3日(火)、「兵庫県立美術館」へ
向かいました。「ゴッホ展」の会場に
入る前、阪神・岩屋駅を出ると、「岩屋
肉劇場」で遅い昼食を取っています。
県美へ赴く前には、「美かえる」を
眺め、帰り際には“なぎさ”ちゃんと
挨拶を交わす習慣です。県美は18時まで開館してくれているのが、有り難いところ。
☆
新型コロナウイルスが蔓延する中、馬鹿げた自粛の行き過ぎでイベントの中止等が
相次ぎ、困ったものですけれども、「ゴッホ展」は静かに開催が続けられていまして、
人ごみも目立たず、良い意味で“淘汰”してくれたように感じられました。踊らされる
のではなく、本当に観たい人らが自分の意思で足を運ぶ。何の問題もありません。
今回の展覧会の副題には、「ハーグ、そしてパリ。ゴッホへの道――」と付いて
います。遅咲きだった Vincent van Gogh(1853~1890)は、27歳で画業に
転じてから10年の間に独自の画業を打ち立てたことになりますが、特に影響の
大きかったハーグ派と印象派にスポット・ライトを当てた展示でした。印象派との
関連では今更な観も強いので、第2部「印象派に学ぶ」より、第1部「ハーグ派に
導かれて」の方が興味深くはあったのですけれど、やはり、ぱっと目を引いて、
楽しい気分になるのは、印象派以降ですねえ。ゴッホの唯一の師といわれる
アントン・マウフェにして、堅実ながら地味な印象を拭えず。そういうリアリズムの
時代だったのでしょうし、テーマとしても、庶民の生活に目を向けること自体が新鮮
だったのか、と。美術館の照明も露骨に、パリへ出る前と後で明暗のコントラストを
強調しているようでした。デッサン力は一朝一夕に身につくものはないしょうが、
“色彩(原色)”という武器を手にしたゴッホは、本当に生き生きとしています。
「糸杉」は7年ぶりの来日。「薔薇」も悪くはないですが、個人的には黒々とした
輪郭線がオリエンタルな「夕暮れの松の木」が好きです。また、印象派に先んじた
アドルフ・モンティセリ(1824~1886)を“発見”できたのも収穫。厚塗りし過ぎて、
マチエール自体の存在を主張する様は圧巻。「庭園の宴」などは幻想画の域です。
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