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折々の蒟蒻(4)

栗木京子
こんにやくを食みつつ思ふコンビニからおでんの消えしあの三月を
       ☆
上掲歌は、『角川 短歌 1月号 2019』からの孫引き。
栗木の2013年冬から2017年夏までの466首を収めた
第10歌集『ランプの精』から、こんにゃく詠を拾いました。
ところで、この歌が発表された当時においては、
あの三月」で東日本大震災(2011年3月11日)のことと、
ぎりぎり、共通の理解を得られたかと思うのです。
しかし、例えば、「あの一月」で阪神・淡路大震災
(1995年1月17日)をどれだけの人が思い出すのかしら。
天災に限らなければ、あるいは、2001年9月11日の
アメリカ同時多発テロ事件……皆、忘れてしまいます。
現在は年度替わり前でして、本年度に相次いで見舞われた
台風被害のことなど、遠い記憶の彼方に追いやられてしまいそう。
今回の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が
拡散されるまで、1918年に始まったスペイン風邪のことなど、
ほとんどの人々が忘却してしまっていたでしょうに。
クリムト辰野金吾、マックス・ウェーバーは1918~1920年に没)
せめて生き延びるであろう者は、記憶して、伝えていく
責務があると思います。うろたえ、騒ぎ、過ぎれば忘れる
……その繰り返しだけならば、唯の動物。唯の獣でもいい
のですけれども、己が“獣”だと自覚できた時点で、新たな次元に
立っている訳で、そこから目を逸らしても仕方ないでしょう。
滅びていく“人間”に安住するのでなく、新しい獣として目覚めること。
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テーマ : 短歌
ジャンル : 小説・文学

tag : 短歌こんにゃく

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
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