中国の発酵豆腐

日本では食に対して「安全・安心」が最も重視される。ところが、国土の広い中国では「いかに長く日持ちをさせるか、が食品産業にとってもっとも重視されるところである」と、中国の大手豆腐メーカーの副社長は話していた。

技術の進歩により、今は真空パックや冷凍、乾燥など食品の日持ちをさせる方法は多々あるが、昔から伝わる効果的な手段は何と言っても発酵である。4000年の歴史をもつ中国には数多くの発酵食品があり、豆腐までも発酵させてしまう。

その発酵豆腐は「腐乳(フウルウ)」と呼ばれる。ヨーグルトは「乳腐(ルウフウ)」で、ちょっと紛らわしい。ちなみに中国語で「腐」は「腐る」という意味に限定されない。「やわらかい」という意味もあり、「乳腐」や「豆腐」の「腐」はそれを指す。

腐乳の製法だが、豆乳ににがりを加えて寄せ固めたものを木綿布に包んで圧搾。ここまでは、木綿豆腐の作り方と大して変わらない。できるだけ水分を切ってから、適宜の大きさに切り、せいろ状の箱に入れて、稲わらを敷いた土間に積み重ねておく。1週間もすると、豆腐の表面にカビが密生してくる。

これを約20%の食塩水に漬けて凝固を強化し、その後、表面のカビを落とす。続いて、かめに入れると、わが国における焼酎に該当する白酒(パイチュウ)を少し振り掛ける。竹の皮と縄でかめのふたを封じ、土中にそのかめを埋め、そのまま1〜2か月間おき、発酵と熟成を行う。この間、かめの内部では、乳酸菌や酪酸菌の発酵が起こり、豆腐に酸味を付けると同時に、発酵食品特有の匂いをも付ける。

腐乳の味はマイルドでコクがあり、まさに「カマンベールチーズとクリームチーズとが一体化したようなクリーミーな味」。「オリエンタルのチーズ」の異名もあり、匂いがかなりきつく、慣れるまで大変だが、何度か味わううちにその重層的な味わいに病みつきになるというが……。

参考文献:小泉武夫『発酵食品礼讃』(文春新書)『くさいはうまい』(文春文庫)
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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