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高橋由一「豆腐」

兵庫県立美術館」の「超・名品展」のチケット券面高橋由一「豆腐」
だけでなく、図録にも採用されていたのが、高橋由一
(1828~1894)の名作「豆腐」(1877)でした。Ⅰ章
扉の文章で、西田桐子氏は下記のように述べます。
       ☆
 ここでは高橋由一の《豆腐》を皮切りに、1907年に始まった文展初期あたりまでの作品をとりあげる。つまり最初の10年を除く明治期の作品、ということになる。
 《豆腐》は、日本の近代美術の出発点に位置する時期の作品である。思わず指で確かめたくなる焼豆腐の焼き加減や、包丁あとがそれと見て取れるまな板の濡れ具合など見どころは十分だが、単純に近代化を西洋化だと思えば、豆腐を近代の表現とみるには違和感を覚える。はじめての静物画だともいわれるが、そもそも大豆加工品を西洋絵画における静物(例えば、宗教的存在であるパンや葡萄酒のグラス、花など)と同じとみてよいものだろうか。《豆腐》がさまざまに提起する問題については、すでに多くの評者論者が言及している。近代とは何か、あるいはそれをどう考えてやってきたのかという現在点を問い直す際には、同じ作者の《鮭》や《花魁図》と同様か、それら以上に重要な作品とみなされているといってよいだろう。

       ☆
同作品は金刀比羅宮の所蔵。かつて(2015年6月23日)、
あべのハルカス美術館」にて開催されていた「昔も今も、
こんぴらさん
」で、現物を観てからの再会となったのです。
近代絵画と《豆腐》……近代文学と漱石レベルで、論点は槃根錯節。
       ☆
 豆腐を描いた絵は、後にも先にも珍しい。同様にまな板も。研究の進んでいる高橋由一だが、このことだけからもこの画家の「分らなさ」は分る。しかし、この人の当時の目的ははっきりしている。油絵具で描いた絵を見たことがない人に、身近なものを描いて「こんなに本物そっくりに描ける」と言いたかったのだ。とはいえ、これらの大豆加工品は低カロリー高タンパクだがボリュームや材質感がどうこうというものではない。だから焼豆腐の焼けた面まな板の包丁あとが気にかかる。この時代の「リアル」のひとつの在りどころが示されている作品である。

参考文献:『開館50周年 超・名品展』(兵庫県立美術館)
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術豆腐

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