京豆腐の地力

イメージ先行で「やっぱり京都の豆腐は凄い」と羨まれることの多い古都・京都だけれど、果たして、その実態は? 統計データを駆使して、その実像に迫ってみた。

統計局の「家計調査」結果から過去10年の豆腐1丁当たりの平均価格を抽出し、一年当たりの平均価格を算出したのが表1である。既に、平均価格の高い順に並べ替えてあり、都道府県庁所在市47市のうち、堂々の3位に位置している。1丁当たり100円を超えているのも、那覇、神戸、京都の3市のみ。磐石のトップを固めるのは那覇だが、島豆腐に代表されるように、豆腐の量目が並外れて大きい地域性を考慮すれば、1丁当たり平均価格が高額であるのも素直にうなずかれよう。2位につけているのは神戸だが、こちらは実際データに当たるまで想定外だった(あくまで推測だが、神戸の豆腐の量目も大きめの部類に入るのかもしれない……)。

ともあれ、京都の平均的な家庭で購入される豆腐の1丁当たりの平均価格は100円オーバーで、全国トップ・クラスであると誇ってよい。不当に安い豆腐は食べないよ、という京都人の矜持の表れとも見えるが、近年、周辺地域から押し寄せてきた価格競争の波に大きく揺れてはいる。実際、2012年だけで見ると、京都は高額7位にランクを下げていた。

「家計調査」を離れ、次は厚生労働省の公表する「衛生行政報告例」を見てみよう。こちらの最新データは2012年3月末現在で、都道府県別以外に、政令指定都市19市、中核市41市の計60市の豆腐製造営業許可施設数も明かされている。政令指定都市に京都も無論含まれ、この60市の施設数を精査してみた。1施設当たりの世帯数、人口を算出し、1施設のカバーしている人口の少ない順に並べ替えたのが表2である。

「衛生行政報告例」が取り上げる施設数とは、保健所に営業許可を求める豆腐製造に携わる者の数、いわゆる「町の豆腐屋」がメイン。その1施設でカバーする人口(ならびに世帯数)が2番目に少ないのが京都に当たる。最低だった郡山市は総施設数(38)そのものが少なく、京都とは比較にならない。京都は都道府県庁所在市に限れば、1施設当たりの人口および世帯数が最も少ない市ということになる。地域に密着した町店が集中していると言える(京都ほどではないが、大阪も同様)。2万人超の人口をカバーする豆腐製造施設を擁する政令指定都市・中核市が大半を占める中、京都の豆腐屋の地元に密着する姿勢には、目を見張るものがある。地域に密着した京都の豆腐の底力である。

豆腐201307_1

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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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