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近年の豆腐価格の推移

総務省統計局の「家計調査」から、近年の豆腐についての1世帯(2人以上の世帯)当たりの購入頻度、支出金額、購入数量、平均価格、購入世帯数をにまとめた。家計調査の結果は、よく一般紙などでも取り上げられているが、その数値は主に支出金額だけであることが多い。訳知り顔で「豆腐の家計支出金額が減った」という結果を「豆腐を食べなくなった」と直結させがちな御仁もいるのだが、本当にそうなのだろうか? 食生活の欧米化、核家族化による孤食・個食の浸透など、豆腐が食べられなくなった理由を挙げるのはたやすいが、もう一度、本当にそうなのか問うてみよう。

2012年の家計支出金額を十年前(2002)年と比較すると、大幅に減少して、1世帯当たり5,614円。十年前より1,000円以上も支出金額を減ってしまった。さらに、購入頻度も2002年比で12.5%減。豆腐を買いに行く回数が減っている。豆腐の購入量も減ったではないか!と考えてしまうのは早計で、まとめ買いなど、買い物のスタイルが変われば、頻度も減る。ましてや、十年前より、豆腐の日持ちが向上しているのは間違いない環境であってみれば……それが証拠に、購入世帯数は十年前よりわずかに(2.2%)減少しているだけであり、購入数量に至っては、やや(3.7%)増加しているのである。

統計データ上、支出金額の減少の原因は明らかである。豆腐1丁当たりの平均価格の減少だ。2012年の豆腐1丁は十年前と比べて、大幅(22.5%)減となる71.82円。20円以上も下がっている結果をどう見るか? ただし「小売物価統計調査」と異なり、家計調査では、品質などが一定の豆腐を定点観測している訳ではないので、対象世帯の家計の行動の変化が、豆腐そのものの価格が下落したためか、あるいは、より価格の安い豆腐を購入するようになったためなのか──その実態まではわからない。

しかし、豆腐の購入金額が減ったのは「豆腐を食べなくなったから」と言うより、むしろ、消費者が「安い豆腐を買うようになった」とみるべきだろう。そこで、次に出てくる問題は「消費者が安い豆腐しか買わない」と言い切ってよいものなのかどうか。一方で「安い豆腐が出回っているから買っているだけ」という消費者も少なくなくはないだろうか。

豆腐201311
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