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渡辺橋

2020_08_14_渡辺橋_1 大阪では、何という橋だか聞いた
 ことがないが、朝日本社の前に
 ある橋
に立って、川の水が流れて
 いくのを眺めていることがよくある。
 これは一つは、東京が西へ発展し
 過ぎて、隅田川が東の片隅に
 置き去りにされた為でもある。
 併しそれで、まだ埋められずに
 いるのだということも考えられる
から、まだそうして助っているのがせめてものことと思わなければならないの
だろうか。兎に角、大阪では川を眺める。

(吉田健一「人間らしい生活」)2020_08_14_渡辺橋_2
       ☆
一読して、この橋は「渡辺橋」だろうと即断してしまった
(上の画像は、8月14日撮影分。渡辺橋の上から川下)
訳ですが、つらつら考えるに、「朝日本社」は「大阪朝日
ビル
」(渡辺橋南詰・南西)でなく、「朝日新聞ビル
(肥後橋北詰・北西)ではないのか? 一瞬、迷いが生じ
ましてね。そうなりますと、吉田健一が立っていたのは
肥後橋」の上ということになります。「人間らしい生活」
の初出ははっきりしません。現「中之島フェスティバル
タワー・ウエスト
」に先立つ「大阪朝日ビル」の竣工が
1931年、「朝日新聞ビル」の竣工は1968年ですから、
まず、渡辺橋で間違いないはず。ぼくの直観によると、
闊達な吉田健一には土佐堀川でなく堂島川が似合い
ますし、「サントリー」等が位置する堂島新地も近いですし。
何という橋だろうとどうだっていいだろう、と吉田健一が
歯牙にもかけない案件に拘泥するのは、まだぼくが素面なせい。

参考文献:吉田健一『汽車旅の酒』(中公文庫)
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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 小説呑む

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
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