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新薬師寺

2020_10_15_新薬師寺 10月15日(木)、近鉄・奈良駅から
 奈良交通バスに乗り、破石町(わりいし
 ちょう)
で下車。正午になったばかりで、
 バス停の目の前に在るそばどころ
 「(かん)」を利用しました。良い感じ
 に鄙びた店内に飾られた伊万里焼
 等を眺めつつ、とろろ蕎麦を美味しく
 頂きます。奈良の地酒も嗜みたく
 なりますが、まだ一日旅の端緒。
       ☆
高畑町を東へ進むのです。「歴史の道」や「山の辺の道」と書かれた石標が立って
いるので、そうそう迷うことはありません。奈良公園周辺は大体把握しているつもり
なのですが(昔、人力車の車夫に身をやつしていた関係上)、高畑周辺は極めて
フレッシュな心象です。なだらかな山の稜線や道の脇の柿の実などが目に入ると、
奈良に来ていることを実感します。かつては日本のどこにでも在ったと思われる
田舎町の道路を、石標を頼りに歩むうち、「不空院」を過ぎ、やがて、「新薬師寺
に到着しました。南門(入り口)に向かって左側に、藤原広嗣を祀った「鏡神社」も
在りますが、迷わず、表門を自分で開けて入門。入った後から、鹿が入らないよう
また自分で閉める、と。正面に見えているのが、入り母屋造りの本堂となります。
       ☆
本来は本堂でなかったらしく、食堂などで見られる石瓦が床に敷かれ、天井も
張られていない状態で丸見えです。堂内の円形の土壇上に、本尊である「薬師
如来坐像
」が安置されています。像高約191cm。体幹部分は榧の一木造り。
全体に丸っこいフォルムで、くりくりっとした目も気さく過ぎるように感じられて、
以前は若干の苦手意識があったのですけれども、現在は抵抗感が無いです。
いなたい寺宇に、のんびりと収まっている観が、しっくりと来ます。薬師如来を
ガードする「十二神将立像」が大傑作で、緊張感を発散しているので、良い
具合にバランスが取れているように感じます。12体の塑像は、1躯(波夷羅
大将)のみ後世の補作。呼び(読み)方は経典や寺院によって異なりますし、
国指定名との異同もありますが、新薬師寺の表記に従い、ラインアップを記して
みましょう。なお、干支との関連付けは恣意的であり、神経質にならずともよし。
       ☆
 伐折羅(バザラ)大将 - 戌
 頞你羅(アニラ)大将 - 未
 波夷羅(ハイラ)大将 - 辰
 毘羯羅(ビギャラ)大将 - 子
 摩虎羅(マコラ)大将 - 卯
 宮毘羅(クビラ)大将 - 亥
 招杜羅(ショウトラ)大将 - 丑
 真達羅(シンダラ)大将 - 寅
 珊底羅(サンテラ)大将 - 午
 迷企羅(メイキラ)大将 - 酉
 安底羅(アンテラ)大将 - 申
 因達羅(インダラ)大将 - 巳
       ☆
薬師寺」は天平19年(747)、聖武天皇の病気平癒を祈願して、光明皇后
よる創建。天武天皇の発願(680)による「薬師寺」と比較して新しいから、という
意味ではなく、霊験“あらたか”故にといわれています。当初は「香山薬師寺」、
香薬師寺」と呼ばれており、その名を負う「香薬師像」(黄金仏)の複製も
本堂には飾られていましたねえ。さて、現在までのところ、ぼくは御朱印を集めて
こなかったのですが、かつて、倉敷市のY子さんから“大和十三仏霊場”の
御朱印帳(十三仏守護屏風)を頂いたままになっており、部屋の整理をしていた
ところ、転がり出てきたのを目にして、打っていこうかな、と思い付いた次第。
何かの縁かもしれません。新薬師寺は大和十三仏霊場の七番札所となります。
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テーマ : 仏教・佛教
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 陶磁器蕎麦仏像

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
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