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魔人入鹿

2021_01_07_国立文楽劇場 1月7日(木)18時から、「国立文楽劇場」において、
 「初春文楽公演」第3部を鑑賞してきました。門松や
 “にらみ鯛”、鏡餅など、ようやっと、ぼくも正月らしさの
 一端に触れることが出来たかな。第3部の開演までに、
 別スケジュールや千日前界隈の散策もありましたが、
 いずれ後述。演目は、「妹背山婦女庭訓」道行恋苧環
 /鱶七上使の段/姫戻りの段/金殿の段――です。
 “道行恋苧環(おだまき)”は、2年前の「文楽若手会」が
 初見。よく知らないままに観ていても、楽しいですね。
 道行に続き、稀代の悪役・蘇我入鹿の赤とゴールドを
 基調とした衣装がど派手で、JBのように格好良し。
 史実とは関係無く、魔人・入鹿の誕生秘話も素敵。
       ☆
彼が父たる蘇我(そがの)蝦夷子(えみじ)。齢傾く頃までも一子なきを憂へ、時の博士に占はせ、白き牝鹿の生血を取り母に与へしその印。健やかなる男子出生。鹿の生血胎内に入るを以て入鹿と名付く。
       ☆
盗まれた宝剣、“十握(とつか)の剣”を 魔人・入鹿の手から奪い返すため、
入鹿の弱点となるアイテム――「爪黒の鹿の生血」と「疑着の相(強い
嫉妬に狂う有り様)ある女の生血」を注ぎかけた鹿笛――を用意するため、
犠牲となるお三輪が哀れ過ぎ、何とも納得できなくて、もやもやした気分を
抱えた一方、「大神(おおみわ)神社」に行かなければ、と思い出し、十握の剣が
出雲建国の記念碑的な霊剣だったことを考え合わせれば、蘇我氏との関連で
如何なるものを暗示しようとしているのか? と頭を抱えることになりました…
…素戔嗚尊(スサノオ)が八岐大蛇に十握の剣で斬り付け、尾の先から
出てきたのが、三種の神器の一つである“草薙剣(くさなぎのつるぎ)”です。
お三輪を遣っていた桐竹勘十郎は、やはり、動きに華があります。個人的に
最近着目している吉田玉志は、漁師鱶七(金輪五郎)を遣っていました。
ちょい役ながら、“豆腐の御用”も良い味(豆腐の歴史は……との考証は野暮)。

参考文献:『文楽床本集 国立文楽劇場 令和3年1月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
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テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽豆腐

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たまに「考える人」、歴史探偵。
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