密教とマンダラ

迎えようとしていた「OCAT(大阪シティエア
ターミナル)」ビルを訪れました。3月12日(金)
14時から、4階の「難波市民学習センター」で
高野山大学官学連携講座、「難波で学ぶ
心理×密教」第3回の「密教とマンダラ」を
受講するためです。講師は高野山大学の松長
潤慶(恵史)氏。密教を信仰する真言宗で、
日々読誦されている経典が、『般若理趣経』。
正式な経題が『大楽金剛不空真実三昧耶経 般若波羅蜜多理趣品』といわれ、
「経」というよりも、あくまで読誦するための言葉だそうです(理趣経は漢音で読み
ます)。人口に膾炙している『般若波羅蜜多心経(般若心経)』は、“空”の教えを
説く『大般若経』600巻のエッセンスをまとめたもの。本来の経題に含まれた“楽”、
“大(=摩訶)”等のサンスクリット語の意味を解き明かしながら、密教の世界観を
概括されました。「楽」の反対語と考えられている「苦」は本来、「自分の思いどおりに
ならない」という意味。楽/苦、大/小といった二項対立から離れ、(悪い意味での)
分別を否定します。智慧(絶対的な価値観に基づく悟りの境地)の完成への正しい
道を示すものが理趣経であり、その認識を図像的に伝達しようとしたのが、曼荼羅
でしょうか。松長氏は極めてエネルギッシュに、“攻め”の姿勢で講義に臨まれました
が、如何せん、90分では尺が足りない。後半の曼荼羅の基礎知識に関しては、随分
巻いた格好で終了してしまいました。本筋から若干外れますが、空海 『般若心経
秘鍵』における衆生の秘密、如来の秘密を興味深く聴きました。肝腎の曼荼羅に
関しては、「KUKAI 2020 vol.3」に寄稿していると聞き、早速、注文しております。
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