バチルス電池
納豆菌の学名「Bacillus natto」の「バチルス」とは、桿菌のことである(2012年3月「沢村真と納豆」参照)。棒状あるいは円筒状の形状をした細菌であり、枯草菌(Bacillus subtilis)の一種である。
「枯草菌」を『広辞苑』で引いてみると、「土壌・枯草など自然界に広く分布するグラム陽性・芽胞形成性の大型の桿菌。芽胞は数時間の煮沸に耐える。病原性はないが時に結膜炎などの原因となる。納豆菌は枯草菌の一種。ズブチルス」と明記されている。広く生息するといわれている“枯草”は、納豆の場合、稲わらに該当した訳だ。この納豆菌から発案された興味深い発明が、公開特許として出願されている――発明の名称は「枯草菌電池」(特開2012―59682)。
新日本社の出願したバチルス電池の概要を追ってみよう。水の中に電極、例えば正極に炭素棒、負極に亜鉛棒を挿入すると起電力が生じる。さて、ここで糸引き納豆(を混ぜた水)の中に同様の電極を差し込むと、ただの水の中に電極を入れた場合より大きな電力が得られるという。納豆菌が無機物を生じているためとみられ、納豆菌は枯草菌の一種なのだから、枯草菌の働きでも起電力が生じるのではないかと試行された。
解決手段として、稲わらを容器に入れ水に浸して5時間後に電極を差し込み、テスターに接続すると、起電力が生じた。納豆の場合と同じく、ただの水中に電極を挿入するより大きな電力を示していた。従って、枯れた植物を水に浸すと枯草菌は植物の有機物を栄養源として増殖し、水中に無機物が生じて電解質となり、多くのイオンが働いて大きな電力が生じると推察される――と説明されている。植物の有機物がなくなるまで、電解質は作られ続け、電流が流れ続けるそうだ。
食品工業分野で実用的な納豆菌より枯草菌を電池に用いる方が経済合理的なのだろうが、やはり、納豆のバチルスを使用した際の詳細な技術を押さえておこう。大豆の中には、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)などの金属元素が存在している。納豆の熟成が進むと、納豆菌の働きで無機物のストラバイト(MgNH4PO4 ・ 6H2O)が生成する。このストラバイトが水中で電解質として生成、電離し、そのイオンによって電流が生じ、電力が大きくなると推測を行っている。
「枯草菌」を『広辞苑』で引いてみると、「土壌・枯草など自然界に広く分布するグラム陽性・芽胞形成性の大型の桿菌。芽胞は数時間の煮沸に耐える。病原性はないが時に結膜炎などの原因となる。納豆菌は枯草菌の一種。ズブチルス」と明記されている。広く生息するといわれている“枯草”は、納豆の場合、稲わらに該当した訳だ。この納豆菌から発案された興味深い発明が、公開特許として出願されている――発明の名称は「枯草菌電池」(特開2012―59682)。
新日本社の出願したバチルス電池の概要を追ってみよう。水の中に電極、例えば正極に炭素棒、負極に亜鉛棒を挿入すると起電力が生じる。さて、ここで糸引き納豆(を混ぜた水)の中に同様の電極を差し込むと、ただの水の中に電極を入れた場合より大きな電力が得られるという。納豆菌が無機物を生じているためとみられ、納豆菌は枯草菌の一種なのだから、枯草菌の働きでも起電力が生じるのではないかと試行された。

解決手段として、稲わらを容器に入れ水に浸して5時間後に電極を差し込み、テスターに接続すると、起電力が生じた。納豆の場合と同じく、ただの水中に電極を挿入するより大きな電力を示していた。従って、枯れた植物を水に浸すと枯草菌は植物の有機物を栄養源として増殖し、水中に無機物が生じて電解質となり、多くのイオンが働いて大きな電力が生じると推察される――と説明されている。植物の有機物がなくなるまで、電解質は作られ続け、電流が流れ続けるそうだ。
食品工業分野で実用的な納豆菌より枯草菌を電池に用いる方が経済合理的なのだろうが、やはり、納豆のバチルスを使用した際の詳細な技術を押さえておこう。大豆の中には、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)などの金属元素が存在している。納豆の熟成が進むと、納豆菌の働きで無機物のストラバイト(MgNH4PO4 ・ 6H2O)が生成する。このストラバイトが水中で電解質として生成、電離し、そのイオンによって電流が生じ、電力が大きくなると推測を行っている。
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