3タイプのトゥアナオ

文化人類学者、中尾佐助氏の提唱した「納豆トライアングル」(2012年1月「納豆トライアングル再考」参照)、別名「ナットウの大三角形」は納豆を指標にした日本、ヒマラヤ、ジャワを結んだ三角形の地域を指す。この地域において、納豆(=大豆発酵食品)という文化的共通性を認め得るのではないかとの仮説だが、テンペで有名なインドネシアと同じように、タイにも大豆発酵食品がある。タイの納豆は「トゥアナオ」と呼ばれ、「トゥア」は豆、「ナオ」は臭い、もしくは腐ったという意味。このトゥアナオ、タイ北部で3種類が入手できると、農学研究者の吉田よし子氏が書いている。

まず、納豆をペースト状につぶし、薄いせんべい状に広げて乾燥したタイプ。塩なし「せんべい状乾燥納豆」と塩入り「せんべい状乾燥納豆」がある。食べ方は、そのまま火であぶり野外での食事のおかず、割って甘酢漬けの野菜に振りかける、細かく割ってバナナの花のサラダと混ぜる、魚醤を加えてつぶしソース状にして生野菜に添える、麺の具を炒める時に加えてスープの味出し・とろみ付けに使用する――など。

次に、軽くつぶした納豆に塩や唐辛子で味を付けて、バナナの葉に包んでゆでたタイプ。塩味は薄く、そのまま食べるか魚醤などを混ぜてソース状にして、生野菜に付けて食する「調味蒸納豆」。保存性は良くないそうだ。同様に調製したものを蒸さずに、おこし状に固めて干した「固形乾燥調味納豆」もあり、火であぶったり、油で揚げておかずにする。

3つ目は、納豆に塩、つぶしたショウガ、唐辛子粉などを混ぜて熟成させたタイプ。納豆の香りは消え、豆味噌に近い風味になるという。現地では生の味噌状「納豆味噌」として売られているが、こちらも固めて干した「固形乾燥納豆味噌」がある。前者の納豆味噌はおかず、あるいは調味料に。固形乾燥納豆味噌は油で揚げておかずとする。

以上をまとめると、タイの納豆 ・ トゥアナオは、(1)せんべい状乾燥納豆[塩なし/塩入り]、(2)調味納豆[蒸し/固形乾燥]、(3)納豆味噌[生/固形乾燥]と大きく分類される。

参考文献:吉田よし子『マメな豆の話―世界の豆食文化をたずねて』(平凡社新書)
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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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