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山科疏水の橋(9)

2021_03_30_日本最初の鉄筋コンクリート橋 もう5月も終わるという頃合いに、2か月も前の
 花見の思い出を書き残します。季節があまりに
 早く過ぎ去ってしまうものですから。JR山科駅を
 起点にして、琵琶湖疏水の一部である山科
 疏水
のさらに一部(「安朱橋」~本稿で触れる
 「第3トンネル」)を踏破した訳です。山科疏水は
 山科盆地の北側の山裾に沿って流れるエリア。
 「東山自然緑地」公園として整備されています
 から、快適に散策等を楽しめますよ。このような
時節でなければねえ。さて、今回の探索で、最も恋い
焦がれていた橋が、「第11号橋」。「第10号橋」と2021_03_30_第11号橋
栗原伸邸」で気分が盛り上がったところで、いよいよ
と気が逸っていたものですから、最初、遠目に見た
日ノ岡取水池橋」を「第11号橋」と取り違えてしまい
ました。三角橋ではないですが、「日ノ岡取水池橋」も
橋の両岸より高く造られているので、その流れの先が
見えないのです。「日ノ岡取水池橋」の袂まで上がって
初めて、おや、あそこにも小さな橋があるぞ、と。
それが“日本最初の鉄筋コンクリート橋”でした。
そう記した石柱も、左岸の上り口に建っています。
       ☆
2021_03_30_本邦最初鉄筋混凝土橋 しかし、言われなければ、
 そうと知らなければ、まず見落とすであろう 地味な小橋。
 でも、国の史跡にも指定されているのよ。保存のため、
 鉄柵で物々しく防護されていまして、そうなると、余計に
 橋が目立たなくなってしまうという。田邉朔郎がトロッコ
 ・レールを用いて、明治36年(1903)に建設した米蘭
 (メラン)式鉄筋コンクリート橋。その設計データを基にして
 「第10号橋」も設計し、来るべき大型化を見据えていた
 そうです。橋を渡った所に建てられた石碑、「本邦最初
 鉄筋混凝土橋
」の方が、「第11号橋」よりも大きく、
 威圧的に見えて、何だかなあ、と感じていたのですが、
 そのうち、1世紀以上もの間、独りで風雪に耐えてきた
「第11号橋」が愛おしくも見えてきました。
「新山科浄水場導水トンネル取水池」の端に2021_03_30_第3トンネル
架かっている状態で、疏水のすぐ先には
第3トンネル」(850m)が待ち構えています。
東口洞門の上部に掲げられた扁額の揮毫は、
松方正義による「過雨看松色」でした。
「第3トンネル」を抜ければ、蹴上に至ります。
扁額の近くへ寄ろうとして、「鉄筋混凝土橋」
碑の周辺に歩を進めてみれば、煉瓦の欠けらが
ごろごろ。明治の煉瓦の成れの果てかしら。

参考文献:『琵琶湖疏水の歴史散策』(近代京都の礎を観る会)
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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡近代建築

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
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好きな言葉は「ごちそうさま」。

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